羽生 もう始動 来季世界一奪回目指し拠点のカナダへ

[ 2015年4月25日 05:30 ]

すでに来季へ始動した羽生

 プリンスがもう始動していた。フィギュアスケート男子の羽生結弦(ゆづる、20=ANA)が先週の世界国別対抗戦後、拠点のカナダ・トロントに戻っていたことが24日、分かった。この日、都内で行われた日本スケート連盟の優秀選手表彰祝賀会などを欠席。昨年11月の中国杯で衝突事故に見舞われて以降、初めてトロントに戻り、王座奪回を目指す来季へ動き始めた。

 フィギュア、スピード、ショートトラックで今季活躍したスケーターが一堂に会する晴れ舞台に、プリンスの姿はなかった。羽生は最優秀選手に選出されたがこの日の記念式典と表彰祝賀会を欠席。既に拠点のカナダ・トロントに戻っており、日本連盟の小林フィギュア強化部長は「ここに来られたら良かったけど、一日でも早い始動を、ということでしょう。来季への強い気持ちがあると思う」と説明した。

 昨年11月の中国杯(上海)男子フリー前の6分間練習で中国選手と激突。大会後にトロントに戻る予定だったが、国内で精密検査を受けるために緊急帰国した。その後も11月下旬のNHK杯、12月のGPファイナル(スペイン)、全日本選手権と試合が続いたために国内で調整。全日本後の昨年末には腹部手術を受け、3月の世界選手権を目指した調整も国内で行わざるを得なかった。

 シーズンが終了したばかりのため、トロントで滑り込んでいるとは考えづらい。小林フィギュア強化部長は「ミーティングも兼ねて行っていると思う」と話し、羽生はブライアン・オーサー・コーチらと今季の総括や来季に向けての話し合いをしていると見られる。新プログラムについて、世界国別対抗戦後に「曲も考えていない」と話していた。来季を見据え、これから曲を選び、イメージを高めていく。

 今季、何度も逆風にさらされた羽生は日本初の連覇を目指した世界選手権で銀メダル。「五輪王者でも、世界王者を獲られてしまったのは変わらない」と来季の世界一奪回を狙っている。演技後半の4回転ジャンプにも挑戦。常に進化を求めるプリンスは今、トロントで来季に思いをはせている。 

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2015年4月25日のニュース