4度出場の母と二人三脚 笹田“心整えた”個人総合決勝へ

[ 2013年10月4日 06:00 ]

女子予選の平均台を終え、母でコーチの弥生さんにマッサージしてもらう笹田夏実

体操 世界選手権第3日

(10月2日 ベルギー・アントワープ)
 女子予選が2日に終了し、個人総合で笹田夏実(18=東京・帝京高)が4種目合計54・166点の18位に入り、80年モスクワ五輪で幻の代表となるなど活躍した母・弥生さん(50=旧姓・加納)に続く親子2代の出場で上位24人の決勝に進んだ。寺本明日香(17=レジックスポーツ)も53・182点の24位で決勝進出。また前日に演技した村上茉愛(17=池谷幸雄倶楽部)が床運動で14・466点の5位となり、種目別では日本勢でただ一人上位各8人(各国・地域最大2人)による決勝に進出した。

 体操界には「試合筋」という言葉がある。本番になると予想外に力が出てコントロールが利かない厄介なもので、初出場の笹田は「今までにないくらいの試合筋が出た」と言った。2種目目の平均台ではG難度の入り技で落下したが、崩れずに心と体を制御した。5月の全日本選手権初優勝で殻を破った高校3年生は、70~80年代に世界選手権に4度出場した母の弥生コーチと決勝への切符をつかんだ。

 失敗した直後の表情に、弥生コーチが成長を感じたという。「慰めていいのか、何と声を掛けたらいいのか」と迷ったが、娘を見ると「(次の種目を)頑張ろうという顔」だった。苦手の床運動で粘り、最後の跳馬では出来栄えを示す10点満点のEスコア(実施点)を9点台に乗せる完成度の高さで締めくくった。

 疲労骨折した右手首を昨夏に手術し、見事に復活して代表に選ばれた。今季から本格的な筋力強化に取り組み、身長151センチのホープは体脂肪率が3%台という驚異的な肉体だ。世界選手権に4度出場した母とともに再び立てる戦いの場に向け「日本で詰めて練習してきたので、成果を出したい」と気合を入れ直した。

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2013年10月4日のニュース