白鵬 5年連続年間最多勝!大鵬らに並んだ

[ 2011年11月20日 06:00 ]

<大相撲九州場所7日目>豊ノ島を押し出す白鵬

相撲九州場所7日目

(11月19日 福岡国際センター)
 横綱・白鵬が小結・豊ノ島を押し出し、5年連続5回目の年間最多勝を決めた。8日を残して今年の勝ち星を「59」とし、2位の琴奨菊に8差をつけた。5年連続は大鵬、北の湖、朝青龍に並ぶ史上1位で、5回目は貴乃花、朝青龍と並び史上3位(1位は北の湖の7回、2位は大鵬の6回)の記録。新大関・琴奨菊は阿覧を寄り切って白鵬とともに無敗をキープし、大関獲りの稀勢の里は隠岐の海を寄り切って6勝1敗とした。
【取組結果】

 この日の朝に報道陣から指摘されるまで、白鵬は7日目の取組に年間最多勝が懸かっていることを知らなかった。「いろいろあったから全然気付きませんでした。うれしいです…と言った方がいいのかな」。昨年、一昨年は年6場所で“86勝”という史上1位の記録を打ち立てたため、数字に敏感になっていた。しかし、今年は八百長問題の影響で3月の春場所が中止となり、1場所少ない年5場所。今年に限っては「来てくれたお客さんのため15日間出続けること」が白鵬の一年の目標だった。

 興味はなかったとはいえ、記録が懸かっていると聞いた以上、負けることはできない。今場所既に3大関を撃破している豊ノ島対策はぬかりなく立てた。相手得意のもろ差しを警戒し、この日の朝稽古と取組前に付け人に対して「両腕をクロスしながら立ち合いをする豊ノ島」という“細かすぎるモノマネ”を身ぶり手ぶりで指導。仮想・豊ノ島となった付け人相手に何度も、もろ差し対策を繰り返したかいもあり、本番では鋭く低い立ち合いで小結を圧倒。一気に土俵外へ押し出した。場所入りの際には、九州場所宿舎の南蔵院(福岡県粕屋郡篠栗町)でもらった白い珊瑚(さんご)のついた“強運が湧く”数珠をつけているが、運とは無縁の横綱相撲を連日披露し順当に無敗をキープした。

 過去に5年連続年間最多勝を達成した3人のうち、5年間の勝ち星が最も多いのは北の湖の385勝。白鵬は1場所少ないながらも、既に384勝を挙げている。「私も一人の人間。みんなと変わりない。同じ血が流れてます」。謙虚すぎることが皮肉に聞こえるのは、圧倒的な強さを保持しているからこそだ。

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2011年11月20日のニュース