レクサス選手権 今季限りで消滅へ

[ 2010年9月7日 06:00 ]

2008年11月8日、レクサス選手権2日目の石川遼

 トヨタ自動車が主催する男子ゴルフツアーのレクサス選手権が、今季限りで消滅する見通しとなった。

 同大会は世界に名だたるトーナメントを目指し、トヨタの高級車ブランドの名を冠して08年に始まった。この年は石川遼(18=パナソニック)のプロ転向初年度で、キヤノン、パナソニックと日本を代表する企業がそろって新規トーナメントを開催。男子ゴルフ人気復興の兆しとして脚光を浴びた。

 しかし、初年度はツアー最高の2億円だった賞金総額は、リーマンショックなどの影響から2年目以降は1億5000万円に減額された。大会の目玉となるはずだった、スポンサー契約を結ぶホストプロの石川も、海外ツアーと日程が重なってここ2年は不参加。今年から開催時期を11月から7月に移したことも功を奏さず、F1からの撤退などモータースポーツの活動規模まで縮小してきたトヨタが開催を見直すのは当然だった。

 来季のツアー開催申請はすでに7月いっぱいで締め切られており、レクサス選手権からの申し込みはなかった。その期限を越えても状況が整えば開催権利は得られるが、今年7月の大会期間中にはトヨタ側から日本ゴルフツアー機構(JGTO)に「現在と同じ枠組では続けられない」との意向が伝えられていた。

 中日クラウンズも主催しているトヨタにとって、規模縮小しての開催にメリットは見つけにくい。レクサスのブランド力に目をつけたワンアジアツアーなどが興味を示していたものの、大きな進展はないまま。石川、薗田峻輔(20=フリー)ら若い選手の充実ぶりとは対照的に、ツアー運営は依然として厳しく、鳴り物入りで始まった大会もわずか3年で幕を閉じることになりそうだ。

 ▽男子ツアーの試合数 今季はトーシン・トーナメントが新しく増えて昨年から1試合増の25試合。最盛期の83年には47試合を開催したが近年は減少傾向。07年に一気に5試合減って過去最少の24試合となり、その後は横ばい状態が続いている。最近では石川がツアー初優勝を飾ったマンシングウェアKSBカップが冠スポンサーの撤退により、08年限りで日程から消えた。

続きを表示

2010年9月7日のニュース