佐田の海、新十両昇進!史上9組目の親子関取

[ 2010年5月27日 06:00 ]

十両に昇進し史上9組目の親子関取となった佐田の海

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月11日初日、愛知県体育館)の番付編成会議を開き、新十両に元小結の父親のしこ名を継いでいる佐田の海(23=境川部屋)と、ブラジル出身の魁聖(23=友綱)の2人を決めた。佐田の海は史上9組目の親子関取となった。再十両は益荒海(21=阿武松部屋)と宝智山(28=境川部屋)の2人。

 96年の栃東(現玉ノ井親方)以来14年ぶり、史上9組目となる親子関取が誕生した。同じしこ名を持つ父は、80年代の幕内において右差しの速攻相撲で館内を沸かせた元小結。その長男で、中卒入門から23歳で新十両昇進を決めた佐田の海は、東京都足立区の境川部屋で会見を開き「(父を超えたい気持ちは)もちろんある。どんどん上を目指したい」と宣言した。
 父の影響で幼少時から角界を志した。「相撲をする環境がなかった」ため水泳、野球、サッカーとさまざまなスポーツに取り組んだが、相撲への熱い気持ちは消えず15歳で入門。当時は体重が85キロしかなく、幕下昇進まで丸5年を要した。しかし、幕下40枚目で5勝を挙げた昨年九州場所から「相撲内容が変わってきた。前に出て相手が引く相撲が取れてきた」と才能が開花し始めた。今年初場所では7戦全勝で幕下優勝。春場所は負け越し、夏場所も東幕下5枚目で5勝2敗と昇進は微妙だったため「聞いた時はびっくりして、体が震えた」という。だが、体重は120キロまで増えており、師匠の境川親方は「速い相撲を取れれば勝てるという手応えをつかんでいる」と評価した。
 しめ込みの色は父と同じ「茄子紺(なすこん)」を締める予定。化粧まわしも父と同じ「牛若丸のデザインのものを着けたい」と言う。「父の相撲が格好いいと思って入ったので、ああいう(速攻)相撲を取りたい。今でも父のビデオを見ています」。入門から8年目と出世は少し遅れたが、あこがれの父を追いかける旅は始まったばかりだ。

 ▼父・宏司さん(元佐田の海、現在は東大阪市でちゃんこ料理店を経営) 自分が昇進した時よりうれしい。私よりいいものを持っているので、私以上の力士になることを期待している。叩き上げの日本人力士の代表として頑張ってほしいし、速い相撲で館内を盛り上げてほしい。

 ◆佐田の海(さだのうみ=本名・松村要)1987年(昭62)5月11日、熊本県熊本市出身の23歳。境川部屋。元小結・佐田の海の長男で、03年春場所初土俵。序二段だった04年初場所から、父と同じ佐田の海にしこ名を変えた。07年九州場所に7戦全勝で三段目優勝。今年初場所で幕下優勝。得意は右四つ、寄り。尊敬する現役力士は安美錦。1メートル82、120キロ。血液型O。

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