東洋大陸上部の監督、部長が引責辞任

[ 2008年12月4日 06:00 ]

<東洋大学>東洋大学川越キャンパスの陸上競技場と校舎全景

 東洋大陸上部の長距離選手、小林和輝容疑者(20=経済学部2年、1日付で退部)が強制わいせつの現行犯で逮捕された問題で、陸上部の川嶋伸次監督(42)と川野祐司部長(32)が3日、引責辞任した。この日、大学内で開かれた緊急会議で辞任を申し出た。チームは無期限で全体練習を自粛。関東学生陸上競技連盟は5日、同大から報告を受けた上で第85回箱根駅伝(来年1月2、3日)の出場可否を含めた処分を決定する。

 不祥事発生から2日後の引責辞任だった。東洋大広報課は川嶋監督と川野部長がこの日、辞任を申し出て受理されたと発表した。川嶋監督は旭化成時代は駅伝で活躍し、マラソンでも00年シドニー五輪に出場(21位)。02年に地元・埼玉の東洋大監督に就任すると箱根駅伝出場を2年続けて逃していたチームを立て直し、07年には箱根で5位に導くなど手腕を発揮していた。この日は広報を通じ「生活指導を徹底して行ってきたが、非常に残念に思うとともに、深く反省している。練習と学業の両立の中でストレスを与えてしまったことや、選手たちの気持ちを十分に理解できなかったことに責任を感じている」とコメントを発表。川野部長も「われわれスタッフの指導が不十分だったと猛省し、部長として責任を取ることにした」とのコメントを出した。
 警視庁の調べでは、事件が起きたのは1日午前8時20分ごろ。小林容疑者は東武東上線の電車内で女子高生の体を触った疑いで、高島平署に現行犯で逮捕された。箱根駅伝のメンバーに入っていなかった同容疑者は埼玉・川越市の自宅から都内のキャンパスに通学途中だった。チームは連絡を受けた同日夜から全体練習を無期限で自粛。川嶋監督の代わりに、当面は佐藤尚、植村和宏両コーチが指揮を執る。
 今季は昨年の箱根で10位に入ったチームからメンバーが11人残り、先月の全日本大学駅伝で4位に入るなど箱根でも上位争いが期待されていた中での不祥事。5日には関東学連が特別審査委員会を開き、処分や今後の対応を協議する。東洋大の松尾友矩学長は「連盟の判断に従う。合宿所に入っておらず、メンバーでない学生だと聞いているので辞退などは今のところ考えていない」と話したが、過去66回の出場を誇る箱根駅伝に出られない可能性もある。

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2008年12月4日のニュース