1人無傷給金の朝青龍じょう舌に

[ 2008年3月17日 06:00 ]

支度部屋を訪問した料理人・神田川俊郎氏(右)と笑顔で記念撮影に応じる朝青龍

 大相撲春場所8日目は16日、大阪府立体育会館で行われ、朝青龍が平幕・若ノ鵬を寄り切りで下し、幕内でただ1人全勝を守った。気迫十分の横綱は19歳の新鋭に何もさせず、これで初顔との対戦は28連勝。単独トップでの全勝ターンは過去すべて賜杯を手にしており、最強横綱が完全にVモードに突入した。白鵬は苦しみながらも時天空を退けて1敗を死守。平幕の豊真将、栃煌山、高見盛らも朝青龍を追走している。

 仕切りで相手の雰囲気を体感した瞬間、朝青龍の自信が確信に変わった。若ノ鵬の上体に視線を送ると、自然と「スキがあるし、脇が甘くなるのではと思った」という。横綱の思惑通り、立ち合いで左腕を突き上げて当たると労せずして左、右と入った。必死にもがく19歳の新鋭を尻目に、朝青龍は豪快につって出て、最後は腰を下ろして寄り切った。初顔にはこれまで27連勝と絶対的な自信を持っていたが、若ノ鵬とは稽古を含めて全く接触なし。わずかにあった不安も土俵上での冷静さが打ち消した。
 この日、平幕の栃煌山、豊真将に土がついて8日目にして早くも単独トップに立った。「全勝が1人になったのは全く気にしないね」と慎重だが、激しい追い風も背中を押している。横綱昇進後、過去に10度ある単独での全勝ターンは、いずれも賜杯を手にしている。4場所ぶりの優勝に向け視界も良好だ。
 ストレート給金に上機嫌の朝青龍は帰り際に「元気があれば何でもできる。横綱が勝てば大阪も盛り上がる」とリップサービスをする余裕も見せた。荒れると言われる春場所は、徐々に朝青龍一色ムードになってきた。

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2008年3月17日のニュース