×

愛子難コースに警戒 ミス最小限に抑える我慢の滑りを

[ 2014年2月6日 05:30 ]

公式練習を終え、明るい表情の上村愛子

 7日夜(日本時間8日未明)の開会式に先立って6日に一部競技が始まり、フリースタイルスキー・モーグル女子予選では、上村愛子(34=北野建設)が五輪最難関コースとの我慢比べに挑む。5日までの練習では会場コースに四苦八苦。固められた人工雪やふぞろいなコブをいかに耐え忍ぶかが悲願のメダルへの鍵となる。フィギュアスケートの新種目・団体は男子ショートプログラム(SP)に羽生結弦(19=ANA)が出場することが決定。5日の公式練習で憧れの06年トリノ五輪金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ(31=ロシア)と滑り、決戦へ備えた。

 立ちはだかるライバルは海外勢よりもまず牙をむくコースだった。コブにはじかれ、ラインを外れ、滑り降りてくるたびにiPadで自らの滑りを確認した。5日夜に最終調整を行ったが、5度目の五輪、経験豊富な上村をもってしても難攻不落の印象が残った。

 「五輪は今までどの大会も凄く気持ちよく滑れるコースだった。今回もきっと楽しいコースだろうと思っていたけど、かなり難しいのをつくってきた」。2つのエア台があるコブ斜面を滑り降りるモーグル競技。大会ごとに雪質や斜度、コブの形状まで変わってくる。

 ソチでは昨年2月のW杯で3位。「ソチではパウダーやざらめ雪で柔らかい雪質が続いていた」と同じイメージでいたが、今回は全く様相が変わっていた。硬いバーンの上に降雪機の雪がまかれた状態。硬いコブは衝撃も、体にかかる負荷も大きくなる。コブとコブの間隔は不均一で、第1エア後の中間斜面では斜度の変化もある。「ずっと同じリズムでは滑れない。気が抜けない」とスタートから最後まで高い集中力が必要だ。

 「今までやってきた滑りやエアのいいところを全部出したいと思っていたけど、このコースではできなさそう」。予選を含めて少なくとも4回は、難コースをミスなく滑りきる必要がある。積極果敢なアタックよりはミスを最小限に抑える我慢の滑り。「自然雪と違う硬さで板が引っかかったりもする。そういうのが目立たない滑りにしたい」とこの日の練習では大技のコークスクリューも試さずターンの確認に重点を置いた。

 98年長野五輪から4度の五輪で刻んできた順位は7位、6位、5位、4位。メダル獲得まではあと一歩だ。バンクーバー五輪後には1年の休養を経て、再び戻ってきた大舞台。五輪史上最高難度のコースで耐え抜いた先に上村が求め続けてきたものはある。

 ▽フリースタイルスキー・モーグルのソチ五輪大会方式 前回大会は予選上位20人が決勝に進み、順位を争った。今大会は6日の予選1回目に全30人が出場し、まず上位10人が決勝に進出。残りの20人が8日の予選2回目に回り、上位10人が決勝に駒を進める。20人が滑る決勝1回目で12人に、2回目で6人に絞り込み、3回目でメダルを争う。

続きを表示

2014年2月6日のニュース