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潮田 五輪後の9・18ヨネックスOPで引退

[ 2012年7月11日 06:00 ]

9月のバドミントンのヨネックスオープンを最後に引退を発表した潮田玲子(右)と、ペアを組む池田信太郎

 美人バドガールとして日本バドミントン界を引っ張ってきた潮田玲子(28=日本ユニシス)が10日、9月18日開幕のヨネックス・オープン(国立代々木競技場)の開催発表会見に出席し、同大会を最後に現役を引退すると発表した。ファンへの感謝を込めてプレーする最後の大会を迎える前に、潮田は池田信太郎(31=同)と組んで混合ダブルスに出場するロンドン五輪に全精力を傾ける。

 涙も悲そう感もなく、いつも通りの笑顔で潮田は引退を発表した。

 「ヨネックス・オープンが(池田との)ペアとしては最後の大会。個人としては引退(試合)になります。日本の皆さんに最後の姿を見ていただきたいと思います」

 集大成と自ら位置づけてきたロンドン五輪。潮田の決断は、その大舞台ではなく、「子供のころから憧れていた」という国内最高峰の国際大会での引退だった。

 ヨネックス・オープンを引退の舞台と決めたのは、5月にロンドン五輪出場権を獲得した直後だった。引退自体は、28歳の誕生日だった昨年9月30日、インドネシア遠征中のホテルで一人で考えて決めた。「北京五輪後にも引退を考えたけど、やり残したという感じがあった。その後は一から競技に向き合えた。本当に充実して、自分の中で納得した時間だった」のが理由だった。

 漠然とロンドン五輪が引退の舞台と考えてきたが、実際に五輪出場権を獲得すると「やっぱり日本で最後の姿を見ていただきたい。それが、応援への感謝の気持ちにもつながる」と思った。ペアを組む池田も「最後までサポートする」と潮田の決断を後押しした。

 アイドル選手として、バドミントンの注目度アップに貢献してきた。三洋電機に入社した02年以降、小椋久美子(10年1月に引退発表)と組んだ女子ダブルスで活躍し、美人ペア「オグシオ」の愛称で広告塔の役割を務めた。国内トップの実力も誇ったが、出場を逃したアテネ、準々決勝敗退の北京と五輪では納得のいく結果を残せなかった。

 09年に池田と「イケシオ」を結成。慣れない混合ダブルスに苦しみながらも、ロンドン五輪出場権を手にした。引退を決めたことで「燃えるものはありますね。きつい練習も最後と思うと力になる。スッキリした気持ちです」と手応えをつかんで最後の五輪を迎える。

 世界ランク10位のペアにとって、現実的に五輪でのメダルは厳しい。だが、引退後は「未定」と言うほど全てを懸けるロンドン。潮田が何かを見せる可能性は、低くはない。

 ◆潮田 玲子(しおた・れいこ)1983年(昭58)9月30日、福岡県生まれの28歳。6歳でバドミントンを始める。福岡・九州国際大付高卒業後、02年に三洋電機入社。小椋久美子と女子ダブルスを組み、07年世界選手権銅メダル、08年北京五輪ベスト8。09年から池田信太郎との混合ダブルスに転向し、10年から日本ユニシス所属。1メートル67、57キロ。

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2012年7月11日のニュース