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長崎市が共催断念…単独招致の戦いとなった広島市

[ 2010年1月15日 17:43 ]

 2020年夏季五輪招致で長崎市が広島市との共催を断念し、五輪憲章に従った現実路線に戻って広島市が単独招致に乗り出すことになった。平和理念を掲げた被爆都市の五輪構想はようやくスタートラインに立つ形となり、まずは今春にも開催計画で具体像を示せるかが鍵になる。

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「単独開催ならばしっかり検討したいし、可能性も出てくる」と評価した。関係者によると、JOCは広島市に対し、3月末をめどに28競技の会場配置や選手村、懸案の財政基盤と輸送を含めた計画素案の提出を要望した。具体像が示されない限り、石原慎太郎知事が再挑戦の意向を持つ東京都と同じ土俵で戦えないとの見方が強い。
 広島は1994年にアジア大会を開催した実績もあるが、視察した関係者は「当時の施設ではほとんど使えない」と指摘した。最低基準で4万室を求められる宿泊施設や交通網の整備など、計画を立てないと資金繰りの算段もつかない。
 JOCは国内候補都市を一つに絞る役割を担う。東京都と広島市から公平性を期して投票で選ぶのか。JOCが一本化へと調整する可能性も残されている。

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2010年1月15日のニュース