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小百合「千メートル」日本新で世界2位

[ 2009年3月8日 06:00 ]

表彰台で笑顔の吉井小百合(左)。右は優勝のアンニ・フリージンガー

 スピードスケートのW杯最終戦ソルトレークシティー大会第1日は6日、米ユタ州のソルトレークシティーで行われ、日本女子短距離のエース吉井小百合(24=日本電産サンキョー)が千メートルで自身の持つ日本記録を0秒35更新する1分14秒05をマークし、W杯同種目自己最高の2位に入った。表彰台は05年11月の長野大会3位以来2度目。男子五百メートルで種目別総合優勝を狙った長島圭一郎(26=日本電産サンキョー)は34秒56の4位で総合では2位だった。

 11組中7組目の吉井はゴールした時点でフリージンガーに次いで2位だった。リンクでクールダウンしながら、後続のW杯ランク上位8選手の結果を待った。「運良く表彰台に乗れたらいいなあとは思っていたけれど想定外です。正直にうれしいです」。吉井を抜く選手は現れず、W杯自己最高の2位に入った。
 高速リンクで「日本記録を出したかった」と臨んだレース。600メートルは全体トップの44秒73で通過した。「行き過ぎたら残り1周が持たないと決めつけていた」と従来は600~650メートルで意図的に一度力を抜いていたが、今回は「ここで脚を動かそう」と力を緩めなかった。それでも、ラスト1周も大きくラップは落ちず、世界歴代9位の好記録。最後まで攻める新境地を開いた。
 例年、シーズン後半になると調子を落とした。「すべての大会に全力投球するのが自分らしさだと思っていた。でも五輪のことを考えたら、決めた大会で勝たなければ意味がない」。今季は今大会と次週の世界距離別選手権(バンクーバー)に照準を定め、2月も体をつくり直す激しい陸上トレーニングを導入した。「この2位は大きい」。日本新とともに、吉井はシーズン終盤でへばる弱々しい姿に別れを告げた。

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2009年3月8日のニュース