【競輪 福井競輪ミックスゾーンレポート】古性優作はファンのために言葉を絞り出した

[ 2025年9月17日 09:45 ]

<福井競輪場>ファンのために並びの経緯を懸命に話す古性優作
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 現在、競輪の取材はコロナシフトのままで制限が多い。そんな中でもレースだけではない、競輪の人間臭さや、選手の何気ない一面を少しでも伝えたい。そんな思いから本紙記者がミックスゾーンで見た、聞いた、感じた話を「ミックスゾーンレポート」と銘打って自由気ままに書かせてもらう(不定期配信)。第3回は南修二(44=大阪・88期)が優勝した福井競輪場で行われた第41回「共同通信社杯」。

 
 笑わない男は最後まで笑わなかった。44歳にして初のビッグ制覇となった南だが、Vゴールの瞬間の気持ちを聞かれて「レースの内容のことを考えてゴールした感じ」。古性優作が失格したというのもあるかもしれないが、前検日からV後のインタビューまで、ミックスゾーンにて笑顔を見せることはなかった。

 取材エリアが一番賑わった瞬間は決勝の近畿5人の並びが決まった時だった。古性が出てくると記者、関係者がぐるっと一周囲むようにして結論に聞き入った。「難しいですね…。いろいろ話して、です。近畿の競輪の厳しさということじゃないですか。難しいです。この並びで察してください」。最低でも20回は「難しい」と言いながら絞り出した。寺崎浩平以外の3人の先輩、また今まで近畿の競輪を築いてきた大先輩たちのことを思えば全てを話すことは難しい。「テラ(寺崎)の番手で」とだけ言って引き上げることはできた。ただ、ファンは待っている。ましてや考え方、性格、生き様が詰まったライン構成の裏話は車券以上に気になるところ。「僕個人としては別線と思っていたし、ファン目線でも別線が見たいと思う」と答える姿は人気投票1位の責任感からも“ファンあっての競輪”というのを強く意識しているように思えた。

 準決勝で敗退してしまった脇本雄太。準決後はすぐにミックスゾーンにあるテレビでレースを見返していた。隣でうなだれる福永大智の肩を叩き、「俺もこれからの糧になったから」と検車場に戻って行ったのが印象的だった。

 初日敗退した郡司浩平だったが、2日目からの3走が凄まじかった。「函館オールスターの失格から悪い流れが続いているのは感じていた。そういう時こそ消極的にならず、力を出し切って自分で断ち切っていくしかない」。負けてからも大事。超一流は流れの潮目も把握し、自らの力でまた正の方向へ進もうとするのだろう。

開催ベストレース
準決勝10R(南修二が寺崎浩平の番手で完璧な仕事をこなしてワンツー)

MVP
南修二(44=大阪)

今後注目選手
郡司浩平(35=神奈川)

(東京本社競輪担当・渡辺 雄人)

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