【ボートレースコラム】普段通りの走りに“王道”への歩みを感じた上條暢嵩 

[ 2025年1月14日 04:30 ]

上條 暢嵩
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 今年の住之江はオール大阪支部で争われる全大阪王将戦(2~7日)で幕を開けたが、出場メンバーに大きな異変があった。

 地元エースの石野貴之がヒザの手術のリハビリ中のため不参加。“王者”松井繁もグランプリの負傷が癒えず無念の欠場。湯川浩司支部長はフライング休みで、丸岡正典は家事都合。戦いが始まっても田中信一郎が私傷病で初日に帰郷した。これだけ大駒がごっそり抜けたオール大阪は長い記者生活でも記憶にない。

 ファンにはかなり残念だったが、出場した選手のほとんどはこれを「チャンス!!」と捉えたはず。まず準優の枠が5つほど空く。A1勢は優勝がより現実的になる。それではトップを任された男はどうだったろう。

 GP戦士の上條暢嵩(31)はそれをプレッシャーに感じることなく(感じていたとしても見せず)、何が何でも優勝するんだという気負いもなく、普段通りのレースを貫いた。印象に残るシーンを紹介しよう。

 3日の2日目8R。インの早川尚人が初動ハンドルを切った時に風がはらんで激しく振り込んだ。大事故になりかねないシチュエーションだったが、2コースの上條は「やばいと思って」ハンドルを外に切り、勝負を諦めた。「何が何でも優勝!!」ならブイ際をスリ抜ける選択肢もあったが、さらなる事故回避、人命優先の姿勢のもと勇気ある右ハンドルを切った上條には技能賞が贈られた。

 予選トップ通過はならず、優勝戦は2号艇。3コースの山崎郡がイチかバチかの握り差しに出る中、2コースの上條はピンロクの早差しには行かず、的確な差しで2着を確保した。

 某先輩が「年末を見据えて1年スパンで考えているんでしょう」と語ったが松井も以前、こんなことを口にしていた。

 「本当に勝負を懸けるのは年間そんなにないよ。ずっと我慢しながら走っている。それが賞金王(グランプリ)を走る近道やから」

 上條も“王道”を歩み出したということだろう。(森本 浩司)

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