【きさらぎ賞】ビザンチンドリーム クラシックへ夢膨らむV ピーヒュレクJRA重賞初制覇

[ 2024年2月5日 05:29 ]

<京都 11R・きさらぎ賞>1着でゴールしたビザンチンドリーム(手前)(撮影・後藤 大輝)
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 “新顔”の外国人騎手が東西重賞でアピールした。「第64回きさらぎ賞」は4日、京都競馬場で行われた。1番人気ビザンチンドリームの追い込みが届き、重賞初制覇。1月から短期免許を取得して騎乗するレネ・ピーヒュレク(36=ドイツ)はJRA重賞4度目の騎乗で初V。管理する坂口智康師もJRA平地重賞初勝利のメモリアルとなった。

 夢への扉が開いた。2着との着差はわずか約2センチ。ビザンチンドリームの追い込みが最後の最後で届いた。終始、後方からの追走。ラスト200メートルの時点でもまだ後ろから2番手だった。ピーヒュレクのステッキワークでそこからゴボウ抜き。鼻、鼻、首差の大接戦をものにして重賞初Vをつかんだ。短期免許を取得して1月から騎乗する鞍上は重賞初制覇。「最初は負けたと思っていたのでアメージング。ゲートは上手に出ましたけど、バランスをつかむのに時間がかかりました。馬群の中で引っかかる面がありましたね。しまいの脚があるのは分かっていたので、信じていました」と喜びを表現した。

 事前の準備も怠らなかった。1週前追い切りで状態を確認。新馬戦で騎乗したムルザバエフとのやりとりもあった。「電話で何回か話をして、癖も聞いていました」と情報をインプット。初めての京都騎乗で大きな仕事をやり遂げた。パリロンシャンに似ているというイメージだったが「似てはなかった。コースが広くて、乗りやすかったですね」と振り返った。

 管理する坂口師にとってもJRAの平地重賞初勝利となった。タフな京都の芝で上がり33秒7は秀逸。「最後の何完歩かで届いてくれました。スムーズではなかったけど、最後はいい脚を使ってくれました。こういう馬場で脚力を見せたし、闘争心もありますね。賞金を加算できたのも大きい」と安どの表情を見せた。

 過去の勝ち馬にはスペシャルウィークやネオユニヴァース、サトノダイヤモンドなどクラシックホースが名を連ねる出世ロード。今後は未定だが、春の大舞台へ期待は膨らむばかり。世代屈指の破壊力で、さらなるステージへと飛び立つ。

 ◇レネ・ピーヒュレク1987年4月24日生まれ。ドイツ・デッサウ出身の36歳。04年にドイツで騎手免許取得。21年凱旋門賞をトルカータータッソで勝利。昨年は独ダービーをファンタスティックムーンで制するなど56勝を挙げてドイツリーディング2位となった。今年初めてJRAの短期免許を取得。JRA通算66戦3勝。1メートル69。好きな日本食は、みそ汁。

 ビザンチンドリーム 父エピファネイア 母ジャポニカーラ(母の父ジャングルポケット)21年1月28日生まれ 牡3歳 栗東・坂口智康厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績2戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金4862万円 馬名の由来はビザンチン帝国の夢。

 

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