【有馬記念】タイトルホルダー 完全燃焼の3着 最終R後に引退セレモニー

[ 2023年12月25日 05:25 ]

引退式で場内を歩くタイトルホルダー(撮影・篠原岳夫)
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 ラストランでもタイトルホルダーは勇敢に戦った。武器を存分に生かせる絶好の2枠4番スタート。外から先手をうかがうライバルたちをかわして、理想のポジション=ハナをすんなり確保。その後は直線残り100メートルまで、誰にも先頭を譲らなかった。ただゴール板だけを目がけて全力疾走。結果は3着。横山和は「勝ちたかった」。本音を吐露した上で「勝てなかったけど、凄く格好よかった。タイトルホルダーの走りを存分に見せられた。寂しいですが、騎乗できて幸せだった」。苦楽をともにした相棒の最後の激走を称えた。

 1番人気ジャスティンパレスの追い上げを頭差しのいで馬券圏内を死守。「どんな時でも諦めない気持ちを持っている。負けそうな時も、そこからもうひと踏ん張りできるのがこの馬の強み」との鞍上の信念が通じたのだろう。ラストランにして本来の姿を取り戻したタイトルの走りに胸を打たれた人は多かったに違いない。

 最終レース終了後に行われた引退セレモニーには、約2万人のファンが居残って最後の姿を目に焼き付けた。栗田師は「この馬と過ごしてきた日々では、いろいろな経験をさせてくれました。いい時も悪い時も、勇気を持って前に一歩進むということを教えられました」と感謝を口にした。年内は厩舎で休養を取り、年明けにけい養先のレックススタッド(北海道新ひだか町)に移動する予定。馬主の山田弘氏は「タイトルホルダーが成し遂げることができなかったことを、子どもたちに託したいと思います」とドゥラメンテの後継種牡馬として期待を寄せた。

 タイトルホルダー 父ドゥラメンテ 母メーヴェ(母の父モティヴェーター)18年2月10日生まれ 牡5歳 美浦・栗田厩舎所属 馬主・山田弘氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタツド 戦績19戦7勝(うち海外1戦0勝、重賞6勝) 総獲得賞金10億6875万1000円 馬名の由来は選手権保持者(父、母父、2代母父がダービー馬だから)。

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