【札幌2歳S】3番人気セットアップ逃げ切った 悪化した馬場も関係なし 晴雨兼用のスター候補

[ 2023年9月3日 05:20 ]

<札幌11R・札幌2歳S>勝ってファンにアピールしながら引き揚げるセットアップ鞍上の横山武(撮影・千葉 茂)   
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 晴雨兼用のスター候補が誕生だ。「第58回札幌2歳S」が2日、札幌競馬場で行われ、3番人気のセットアップが雨でぬかるんだ洋芝をものともせず、後続に4馬身差で逃げ切った。騎乗した横山武史(24)は札幌重賞20回目の騎乗で初勝利。2着に父・典弘(55)騎乗のパワーホールが入り、JRA重賞ではグレード制導入の84年以降で初の親子騎手ワンツーとなった。

 藻岩山が見下ろす勝負どころの4角。セットアップがやや重に悪化した馬場も苦にせずリードを広げていく。脚を滑らせてハミを取らない後続勢とは対照的な一糸乱れぬフットワーク。開催最終週で傷みの激しいインコースにあえて進路を向けると、楽々と押し切った。

 「馬場の内外どちらを進もうかと迷ったが、ダートも走れそうな(パワーがある)ので馬を信じて内を選んだ」と振り返った横山武。「それにしても、こんなに後続を離すとは…。想像以上に強かった。テンションが上がりやすいけど、人に素直なので操縦しやすい」と続けた。

 破格の勝ち時計(芝1800メートル=1分48秒5)で逃げ切って快速ぶりを示した前走(未勝利戦)は、返し馬で暴走気味になったため馬具をひと工夫。ゲート裏まで覆面を装着してイレ込みを防いだ。「絡まれるとハミをかむから単騎でリラックスして行けたのも良かった。少しずつ成長しているが、まだ子供っぽさが残っている。本州は暑いので北海道で放牧に出して成長を促したい」と鹿戸師。

 次走は朝日杯FS(12月17日、阪神)かホープフルS(同28日、中山)。「現状では2000メートルよりもマイル」と横山武は言うが、気性が成長すればクラシックへの期待が膨らむ、晴雨兼用のスター候補だ。

 ◇セットアップ 父デクラレーションオブウォー 母スリーアロー(母の父アルデバラン2)21年4月6日生まれ 牡2歳 美浦・鹿戸厩舎所属 馬主・嶋田賢氏 生産者・北海道新ひだか町のフジワラフアーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金3976万4000円。馬名は英語で「開始する、計画する」。

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