【チューリップ賞】ディオサV!2歳女王斬りで桜冠見えた

[ 2020年3月8日 05:30 ]

ゴール前でクラヴァシュドールとの叩き合いをハナ差制したマルターズディオサ(手前) (撮影・亀井 直樹)
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 「第27回チューリップ賞」は7日、阪神競馬場で行われた。昨年12月の阪神JF1~3着馬による再戦となったが、4番人気のマルターズディオサがゴール前の大激戦を制し、重賞初制覇を飾った。2着クラヴァシュドール、3着レシステンシアまでにG1「桜花賞」(4月12日、阪神)の優先出走権が与えられた。

 田辺の好騎乗が際立った。マルターズディオサはスタート直後、無理には出さず中団追走。道中は前半3F35秒1と、逃げたレシステンシアがゆったりした流れをつくる。“これは遅い”と判断した田辺は3角手前から早めに先行集団へ。4角では先頭に1馬身半差まで迫った。田辺が振り返る。「阪神JFの時は追いつけなかったけど、今回はこっちの方が手応えに余裕があった。見栄えからは分からないけど、力をつけています」

 その言葉通り、前走の阪神JFがラスト3F35秒9に対し、今回は3F33秒9と2秒も速い末脚を披露。残り1Fでレシステンシアをかわし、ゴール前は2着のクラヴァシュドールとの叩き合いを見事に制した。期待以上の走りに鞍上は驚きを隠せない。「(レシステンシアには)暮れのG1で負けた相手だったので甘くはなかったけど、いい意味でビックリ!桜花賞に向けていい競馬ができました」

 昨年、新種牡馬としてデビューしたキズナ産駒は函館2歳Sの勝ち馬ビアンフェ、京成杯を制したクリスタルブラックに次ぐ、JRA重賞3勝目を挙げた。気性が激しいことで知られるキズナ産駒。無観客レースも大きな後押しになったと言える。これで一気に世代の主役へ。本番の桜花賞に向けて、期待は膨らむばかり。

 「精神面がどっしりしてきた。まだ良化残しのつくりだったので、それで勝てたのは大きい。今後は栗東で調整する。桜花賞は目いっぱいに仕上げます」

 手塚厩舎は今日行われる弥生賞ディープインパクト記念にワーケアが出走する。勢いを味方に2日連続でトライアルレース勝利を飾るか注目だ。

 ◆マルターズディオサ 父キズナ 母トップオブドーラ(母の父グランドスラム)牝3歳 美浦・手塚厩舎所属 馬主・藤田在子氏 生産者・北海道日高町の天羽禮治氏 戦績5戦3勝 総獲得賞金9735万7000円。

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