“G1最多勝”砂王リッキーと“賞金王”キタサンブラック 同じ牧場で生まれた2頭の不思議な縁

[ 2017年12月30日 16:05 ]

史上最多G1・11勝を挙げたコパノリッキー(左)とJRA歴代賞金王となったキタサンブラック
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 2017年の日本競馬を締めくくる最後のG1「東京大賞典」が29日、大井競馬場で行われ、田辺裕信騎手騎乗のコパノリッキー(牡7=村山厩舎)が優勝。ラストランで史上最多となるG1・11勝目を挙げた。リッキーを生産したヤナガワ牧場は、有馬記念(G1)で有終の美を飾ったキタサンブラックも生産。今年最も注目を浴びた牧場となった。

 ラストランで史上最強のダート王となったリッキー、JRA歴代賞金王となったブラック。同じヤナガワ牧場で2年違いで生まれた2頭はこれまでも何度も競走成績が“シンクロ”し、話題となっていた。

 2歳年上のリッキーは一足先に12年にデビュー。4歳となった14年2月にフェブラリーS(G1)を16頭中最低の16番人気で勝利しファンを驚かせた。その後もダートG1戦線で活躍し、その年にG1を3勝した。そして、翌15年の初戦・東海Sを制した翌週にブラックはデビュー(1着)。続いて、リッキーがフェブラリーSを連覇した2月22日の東京7Rではブラックも2勝目を挙げている。

 さらに、ブラックが菊花賞でG1初優勝を飾った翌週には、リッキーがJBCクラシック(G1)を優勝。さらに、ここ2年のゴールデンウイークには両馬が武豊騎手を背に天皇賞・春、かしわ記念をそれぞれ連覇するなど幾度となく“シンクロ”してきた。

 極めつけはラスト2戦。芝・砂それぞれの王者を決めるジャパンC&チャンピオンズCではともに3着。ラストランでは、その敗戦の悔しさを晴らすように1年を締めくくるグランプリ有馬記念(24日)&東京大賞典(29日)でそろって有終V。ともに逃げきっての完勝劇だった。

 1週間で2頭の名馬の引退レースを見届けたヤナガワ牧場の梁川正普(まさひろ)代表(47)は、「生産者の夢は引退式をしてもらうような馬をつくること。同時に2頭もできるなんて本当に良かった」と感無量。同じ牧場で生を受け、それぞれ「Dr.コパ」こと小林祥晃氏、「サブちゃん」こと北島三郎氏と著名人の所有馬となり、競馬界をけん引した2頭は不思議な縁を感じさせたまま、競馬場に別れを告げた。

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2017年12月30日のニュース