【菊花賞】プラチナヴォイス 筋肉増え“モタレ”克服、混戦断つ

[ 2017年10月18日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=17日】先週からの雨にさすがにうんざりしていた高木だったが、出張先の栗東でも朝から雨。昨夜、東京から持ち込んで(こっそり)洗濯した服はすぐにズブ濡れになった。だが、珍しく闘志が衰えなかったのはどうしても話を聞きたい馬がいたから。皐月賞(10着)で◎を打ち、強いと信じてやまないプラチナヴォイスの元を訪ねた。

 秋始動戦の前走・セントライト記念は出はなをくじかれるアクシデント。他馬がゲート入りを嫌がり、発馬機内でかなりの時間を待たされた。「あれで一気にテンションが上がってしまった」と振り返るのは、かつてシーイズトウショウ(03年CBC賞など重賞5勝)も担当した腕利き・織川厩務員。それでも直線はジワジワと差を詰め、復調を感じさせる5着を確保した。何より、同厩務員の「真っすぐ走れていたね」の言葉が成長の証だ。

 春の明確な弱点が右へのモタレ癖。力むと自身のスピードに体が付いていかず制御不能に陥った。「調教では直線で手前を替える練習をしてきた。うまくタメて直線で勝負できるように」。頼もしいのは技術的な面に加え、しっかりと土台が備わったことだ。「トモが凄く立派になって、筋肉量が増えている。追い切りも感覚以上に時計が出るようになっている」と成長に目を細めた。

 「この前のG1(NHKマイルC11着)は忙し過ぎたね。血統的にも距離が延びた方がいいタイプ」と信じるのは母父マンハッタンカフェの血脈だ。「ここまで本当にチグハグなことばっかで…。(最後の1冠で)いい思いをさせてあげたい」。舞台は未勝利戦でトゥザフロンティアのレコードを0秒6も縮めた京都の外回り。この馬がこのコースではまれば…。混戦模様の今年なら重い印を打ちたくなる素質を秘めている。

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2017年10月18日のニュース