【朝日杯FS】ソウルに続け!ミスエルテCWラスト1F11秒6

[ 2016年12月15日 05:30 ]

CWコースで追い切られ、力強い走りを見せたミスエルテ(右手前)
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 2歳頂上決定戦「第68回朝日杯フューチュリティS」の追い切りが14日に栗東、美浦トレセンで行われた。牝馬ながら果敢に参戦する2戦2勝馬ミスエルテが、CWコースで年長馬を楽々と突き放す豪快な走りを披露した。父フランケルの産駒は先週、阪神JFでソウルスターリングが勝ち、産駒初のG1制覇を達成したばかり。また、勝てば牝馬による優勝は80年テンモン以来36年ぶりの快挙となる。

 “我慢”を覚えた少女が牡馬に立ち向かう。ミスエルテはCWコースでダノンシーザー(4歳1000万)を1馬身追走からスタート。鞍上の川田が気配を慎重に探りながらの道中。多少、首を振るシーンは見られたが、落ち着きは保てている。

 残り1Fで内に進路を取り僚馬に並び掛けると、封印していた闘争心が一気に解き放たれた。馬なりのまま一瞬のうちに僚馬を置き去りにして、2馬身半先着。水分をたっぷり含んだ不良馬場だったが、4F51秒8の好時計。ラスト1Fも11秒6とはじけた。

 川田は「先週よりも我慢して走れていました。その分、しまいの反応は良かったですね」と安どの表情。というのも1週前は道中力み通し。「もともとチャカチャカして普通に歩いているところを見たことがないほどテンションの高い馬ですが、前走後、より掛かるようになっている」。一抹の不安を抱えながら迎えた最終追いだったが、これで払しょく。「順調に追い切れました。阪神のマイルは能力差が出るコース、という面では心配はしていません」と全幅の信頼を置いて挑む。

 前走・ファンタジーSは出遅れながらも直線ノーステッキでごぼう抜き。当初は先週の牝馬限定G1・阪神JF参戦プランもあったが、果敢に牡馬相手のここに駒を進めた。ただ、牝馬による朝日杯FS優勝は80年テンモン以降、遠ざかっている。池江師も「牡馬とは重量の1キロ差はあるが、通用するかはやってみないと分からない」とあくまで慎重な口ぶり。「こちらはベストのコンディションにもっていくのが仕事」と万全の状態で送り込むことに専念する。

 無敗での朝日杯FS制覇となれば、84年グレード制導入以降では、昨年のリオンディーズに続き13頭目。他にはミホノブルボン、フジキセキ、グラスワンダーと歴史的名馬の名がズラリ。先週、阪神JFで破壊力を見せつけたソウルスターリングと同じフランケル産駒の牝馬が、名を連ねるか。

 ◆フランケル 08年英国産。父ガリレオ。10〜12年に同国で14戦全勝、G1・10戦全勝。1400メートルとマイルのG1で8連勝。その後2000メートル戦に転じインターナショナルS、チャンピオンSのG1を連勝して引退。13年に同国で種牡馬入り(種付け料12万5000ポンド=当時約1600万円)。初年度産駒となる現2歳馬から4頭の欧州重賞ウイナーが出ているが、G1制覇は阪神JFのソウルスターリングが初めて。

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