【英プリンスオブウェールズS】豊ヒカリ海外G1・3連勝ならず、まさかの失速

[ 2016年6月16日 00:35 ]

6着に終わったエイシンヒカリと武豊

 ヒカリ快進撃ストップ。英G1プリンスオブウェールズSが15日、ロンドン郊外のアスコット競馬場(芝2000メートル、天候=曇り、馬場状態=soft・重馬場)で行われた。日本から参戦したエイシンヒカリ(牡5=坂口)は、直線先頭で入ったものの、残り1F手前で、まさかの失速。しんがり6着に敗れた。香港C、仏イスパーン賞に続く日本調教馬初の海外G1・3連勝ならず。勝ったのは外から伸びた伏兵、重馬場得意のマイドリームボート(牡4=愛)だった。

 ヒカリを管理する坂口師が「調教の動きは、前走よりさらに良くなっていた」と話したようにコンディションは万全。前走後も仏シャンティイにとどまって調整され、現地の環境にもすっかり適応したヒカリだっただけに、引き揚げてきた武豊も首をひねるばかり。起伏が激しくトリッキーな競馬場での一戦で、経験したことがない特殊なコース(高低差約22メートル、東京コースの約8倍)に戸惑った可能性もある。好スタートを切り、予想通りハナを奪った。ただ後ろを離す逃げじゃなく、鞍上武豊は、少し行きたがる感じを抑えるような逃げ。直線では内ラチぴったりに回り、最後の直線を迎えたが、思ったほど伸びず、馬群に沈んだ。ソフトな馬場が影響したのか、まさかの失速だった。

 鞍上の武豊はレース後、現地のインタビューに「状態は良かったし、途中までは良かったが、難しいね。少し掛かったけど…。(馬場状態が影響した?)それは言い訳にならない」とコメントした。

 前走イスパーン賞での10馬身差の圧勝劇は、欧州競馬界にとって衝撃的。地元メディアは連日、ヒカリの動向を伝え、各ブックメーカーは単勝1倍台の“大本命”に支持。6頭立ての少頭数もあり、世界中の競馬ファンから注目されたが、無念のしんがり6着となった。

 ヒカリの快進撃は止まったが、戦いが終わったわけではない。秋には欧州競馬の最高峰G1凱旋門賞(10月2日)が控える。出走には12万ユーロ(1432万円)の追加登録料が必要で、陣営は出否を明らかにしていないが、今年の舞台は10馬身差Vの実績を残したシャンティイ。出走なら再び注目されるのは間違いない。オーナーサイドは今年限りでの引退、種牡馬入りの意向を示しており、今秋がラストシーズンとなる。欧州再挑戦か、それとも国内G1専念か。負けたとはいえ世界の競馬ファンの胸にその名を刻んだ“超特急”の今後から目が離せない。

 ▼武豊騎手 結果は残念でした。馬の状態も良かったと思うし、落ち着いていて雰囲気も良かった。最初はいい感じだったが、その後ハミをかんだかな…。直線では後続を突き放せるシーンがなかった。残念です。

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