【新潟2歳S】“金髪の優等生”ヒプノティスト50秒1!夏期講習で成長

[ 2015年8月27日 05:30 ]

2頭併せで軽快な動きを見せたヒプノティスト(左)

 2歳重賞「第35回新潟2歳S」の最終追いが26日に美浦、栗東トレセンで行われた。美浦では6月の東京で新馬Vを飾った“金髪の優等生”ヒプノティストが、Wコースで好時計をマーク。管理する開業2年目の気鋭・奥村武師(39)は6度目の挑戦で重賞初Vを狙う。

【新潟2歳S】

 秋の気配を感じさせるヒンヤリとした空気に包まれた中、ヒプノティストが金色のタテガミをなびかせながら、さっそうとWコースに現れた。カシマシンセイ(6歳、障害オープン)を10馬身追走からスタートすると、ゆったりと流しながら徐々に差を詰める。4コーナーすぎからスピードを上げて内に進路を取ると、馬なりのまま力強いフットワークを繰り出して併入。4F50秒1~1F12秒4の好時計を叩き出した。

 見守った奥村武師は「内を回った分時計は速くなったが、いいんじゃないか。周りから馬が来ても(気持ちが)熱くなるところがない。気持ちに余裕がある証拠でしょう」と心身両面での充実を口にした。

 1戦1勝の身だが、デビュー戦の内容は濃い。馬群の中でしっかり折り合うと直線で前が壁になっても、ひるむことなく割って出て上がり3F最速の33秒7の末脚で差し切った。師は「まるで馬がレース映像を見て予習してきたかのようだった」とジョークを交えて振り返る。タテガミが金髪で見た目はチョイ悪だが、中身は超優等生だ。

 前走後は放牧に出さずに、美浦で在厩調整。開業2年目と若い奥村武厩舎だが、今年は昨年の8勝を既に上回る11勝と躍進。おかげでお盆ごろには馬房にミストを設置した。「150万円ほどの投資だったが、ヒプノも一番暑い時季を乗り越えてくれた」と笑みを浮かべた。

 勝てば当然、クラシック候補に浮上する。「クラシック?みんなそう言わせたがるけど、血統、体形からはマイルくらいまでだろう。ただ絶対能力が抜けていれば、ダービーまでは進める可能性はある。そうなってほしいという願いは当然持っている」。若駒と若きトレーナーの戦いは、まだ始まったばかり。金髪の優等生がさらに注目を集めることになるか!?

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2015年8月27日のニュース