【天皇賞・春】もう負けられない!キズナ復権Vへ “らしい”競馬を

[ 2015年4月28日 05:30 ]

ダービー馬キズナが強くなけりゃ競馬が盛り上がらないぞ

 今週から始まる6週連続G1開催。その第1弾は「第151回天皇賞・春」。多士済々の豪華メンバーがそろったが中でも注目を集めるのがキズナだ。骨折休養から復帰した今年2戦で結果を出せなかったが、現役屈指の実力馬であることに変わりはない。復権へ向けここまでの調整は順調、持ち前の剛脚でタイトルをものにする。

【天皇賞・春】

 もう負けられない。キズナは昨年の天皇賞・春4着後に左第3手根骨骨折が判明。長期休養を挟んで今年2月に復帰した。さあ、無傷でG1へと思いきや、京都記念(3着)大阪杯(2着)と勝利に届かなかった。とりわけ陣営が唇をかむのは前走の大阪杯だ。単勝1・4倍。ファンは叩き2走目での復活Vを信じて疑わなかった。担当・田重田厩務員は悔しげに振り返る。

 「パドックでは凄いお客さん。京都記念は(馬体重22キロ増で)太かったし申し訳ない。だから大阪杯ではある程度体をつくって、お客さんの前に出したつもりだったんだけど…」

 後方から徐々にエンジンをふかして直線へ。誰もが先団をまとめてのみこむ姿を思い描き、胸躍った。まさか、内からポジションを上げたラキシスに差し返されるとは。重馬場で切れがそがれたにしても相手も同条件。2馬身差、完敗だ。

 「1角を回るときに(道悪が)下手だなと思ったけどね。調教が少しオーバーワーク気味だったのかな。いずれにしてもキズナらしい競馬ができなかった」

 敗戦を糧に、前を向くしかない。G1こそが用意された復権の舞台。中3週で強い負荷は必要ない。1週前追いはCWコースで適度に気合をつけて6F81秒5(ラスト12秒1)。順調に乗り込まれている。

 「体は前回である程度できていたからね。馬体重は前回と同じくらいかマイナス。イメージ通りの調教はできているよ」

 昨年走ったとはいえ、一気の距離延長となる天皇賞・春は特殊なステージには違いない。3200メートルの適性はどうなのか。田重田厩務員は意に介していない。

 「我慢ができる馬だし、ゴーサインを出せばきっちり反応してくれる。“らしい”競馬をするかどうかだけ。相手は関係ないよ」

 キズナがキズナであればそれでいい。本来の力を出せば結果はついてくる。陣営の思いは実にシンプルだ。今度こそ復権V。強いキズナを感じたい多くのファンも、悔しい思いを重ねた陣営もそのシーンを待ち望んでいる。

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2015年4月28日のニュース