年度代表馬はジェンティル 有馬Vで有終、牝馬で2度は史上2頭目

[ 2015年1月7日 05:30 ]

有馬記念で有終Vを飾り、年度代表馬に選出されたジェンティルドンナ

 ホース・オブ・ザ・イヤーを決める2014年度JRA賞受賞馬選考委員会(報道機関の代表8人で構成)が6日、東京都港区のJRA六本木事務所で行われた。年度代表馬にはドバイ・シーマクラシック、引退レースの有馬記念を制し、芝のG1最多タイとなる通算7勝を挙げたジェンティルドンナ(牝6=石坂)が選出された。他に最優秀4歳以上牝馬のタイトルも合わせて獲得。牝馬3冠と3歳牝馬による初のジャパンC制覇を果たした12年度にも選出されており、2度目の受賞となった。

 第二の馬生をスタートさせる名牝に大きな勲章だ。3月のドバイ・シーマクラシック、引退レースの有馬記念を制し、芝のG1では最多タイとなる通算7勝を挙げたジェンティルドンナが年度代表馬に選出された。この他に最優秀4歳以上牝馬のタイトルも合わせて獲得。石坂師は感無量の面持ちで口を開いた。

 「インパクトのあるレースをして、ラストランを決めてくれたことが大きな要因になったかなと思っています。ドバイでも凄い競馬で勝ってくれたが、その後は世間から“終わった”と思われていると感じていた。でも私自身はそうじゃないと思っていた」

 有馬記念は女傑のプライドを懸けた一戦だった。今秋2戦の天皇賞・秋(2着)とジャパンC(4着)では結果を出せず。当初は3連覇を狙ったジャパンCが最大の目標だったが、トレーナーはすぐに有馬記念参戦を表明。「馬には申し訳ないと思ったけど、過酷なレースに出てくれて…、勝ってくれて良かった」と万感の思いを口にした。

 総票数285票のうち231票を獲得。牝馬3冠と3歳牝馬による初のジャパンC制覇を果たした12年度にも選出されており、今回が2度目の受賞。牝馬で2度選出されたのはウオッカ(08、09年)以来2頭目。通算獲得賞金も17億2603万400円(JRA+海外)でオルフェーヴルを抜き、テイエムオペラオーに次ぐ史上2位に。まさしく“最高の名牝”だ。

 今後は母親としての仕事が待っている。初年度はハービンジャーかキングカメハメハと交配する。石坂師は「5日に北海道(苫小牧市・ノーザンファーム空港牧場)に戻りました。末永く幸せに暮らしてほしいと願っています」とエールを送った。早ければ18年にも産駒がデビューする。

 ◆ジェンティルドンナ 父ディープインパクト 母ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ)牝6歳 サンデーレーシング 栗東・石坂 戸崎 ノーザンファーム 6戦2勝(うち海外1戦1勝) 6億916万7000円(ドバイシーマクラシック、有馬記念)

 ▼サンデーレーシング吉田俊介代表 3年以上にわたった競走生活を無事に終えることができ、最後にこのような賞をいただき、ありがとうございました。

 ▼戸崎 引退の年に年度代表馬になれたことを光栄に思いますし、その馬に乗れたことを幸せに感じます。繁殖ということで良い子が出てくれると思うので、自分もまたその子に乗りたいと思います。

 ≪選考方法≫年度代表馬と各部門賞は競馬記者クラブ11団体に所属する記者(クラブ歴3年以上、会友含む)285人の投票で決定される。地方馬、外国馬も選考の対象となる。投票で3分の1以上に達した場合は、受賞馬に決定。3分の1に達しなかった場合は、選考委員会が受賞馬を審議するが、今年は全部門で3分の1以上の得票があったために、同委員会の承認を得て決まった。

 ※プロフィルの見方 馬名、父馬、母馬(母の父馬)、現在の性齢、馬主、所属厩舎、受賞騎手、生産者、14年の成績、同獲得賞金(G1優勝レース)

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2015年1月7日のニュース