【オールカマー】10歳マイネルキッツ健在!大知も国枝師も驚いた

[ 2013年9月19日 06:00 ]

マイネルキッツ(右)は10歳馬と思えぬ軽快な動きを見せる

 今週は先週末の3日間開催明けで、通常月曜の全休日が火曜にスライド。普段は追い切りが集中する水曜だが、18日は重賞出走馬ではオールカマー(22日、中山)の関東馬4頭だけが追い切った。2頭出しの国枝厩舎は、10歳マイネルキッツが5歳サトノアポロを上回る手応えでベテラン健在を誇示した。

【オールカマー】

 これが本当に10歳馬?マイネルキッツが年齢を感じさせない躍動感あふれる動きで健在ぶりをアピールした。新コンビとなる柴田大が騎乗し、2頭出しのサトノアポロと共に、全休日明けで追い切る馬が少ないWコースへ。5歳下のパートナーをエスコートするように2馬身先行してスタート。3~4角で追いついたアポロを、内側に招き入れるようにして直線はびっしり併走。アポロが手綱をしごいて必死に食い下がるのに対し、キッツはまるで口笛でも吹くかのように馬なりのまま。併入でゴールしたが、本来なら体力で上回るはずの5歳馬を手応えで完全に圧倒した。

 「凄くいいですね。イメージと全然違う」。初めて騎乗した柴田大は目を丸くした。「もう少しボテッとした印象だったが、走りが軽い。年齢を聞かなければ、とても10歳とは思えない。それほどフレッシュな感じで動きもキビキビしている。絶好調じゃないですか。レースが凄く楽しみ」。マイネル軍団の主戦として看板馬を次々と乗りこなす鞍上をしびれさせるほどの手応えだ。

 国枝師も「キッツの方が動いたね」と驚きの表情。「夏場は北海道で充電して、ここを目標に乗り込んだ。まだ馬体も若々しいし、気持ちもフレッシュ。5歳は若く見えるよ」と舌を巻く。4年前、6歳での天皇賞・春Vが初重賞制覇。その後も7歳で日経賞、8歳でステイヤーズSに優勝。遅咲きのベテランホースは、常に年下の強豪を相手に一線級で戦い続け、己を磨き続けてきた。

 人間なら40代。働き盛りと言いたいが、3~5歳がピークとされる競走馬の世界では、かなりの高齢だ。「年齢を考えれば頑張っているし、まだまだ頑張れそう。とにかく活力が凄い。俺も見習わなければ」。58歳の国枝師に、そう言わしめるキッツ。老練な走りがライバルたちを幻惑するか。

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2013年9月19日のニュース