【フォワ賞】オルフェーヴル圧勝 悲願凱旋門賞へ“完璧予行”

[ 2013年9月16日 06:00 ]

フォワ賞でゴールする、優勝したオルフェーヴル

 凱旋門賞の前哨戦デーを日本馬が席巻した。ニエル賞(G2、芝2400メートル、1着賞金7万4100ユーロ=約978万円)が15日(日本時間同日夜)、ロンシャン競馬場で行われた。武豊(44)とのコンビで挑んだキズナ(牡3=佐々木)は、直線大外から伸び、英ダービー馬ルーラーオブザワールドの猛追を封じきってV。日本馬がニエル賞を勝ったのは初めて。また、フォワ賞(G2、芝2400メートル、1着賞金7万4100ユーロ=約978万円)に出走したオルフェーヴル(牡5=池江)も楽勝して昨年に続く連覇。夢の凱旋門賞(10月6日、ロンシャン)制覇へ、日本が誇る2頭への期待が大きく膨らんだ。

 力が違う。「去年より、はるかに、はるかに、はるかに強い!」。現地実況も驚くオルフェーヴルの圧巻パフォーマンスだ。昨年に続きクリストフ・スミヨン(32)とのコンビ。前にステラウインドを置き、道中冷静に運んだ。

 直線を向いて残り300メートル。イン2頭目に進路を確保した。馬なりで先頭に立つ。わずかに手を動かすと、あっという間に後続を置き去りだ。最後は手綱を緩め、鞍上は後方外を確認する余裕。口笛でも聞こえてきそうな勝ちっぷり。そして連覇。単勝1・5倍の圧倒的1番人気に応えてみせた。

 池江師は「位置取りは指示しなかった。馬がリラックスして走っていたから、あの位置で良かったのでは」と余裕の表情。圧勝でしたねとの声には「ここは相手も相手だしね」と、さらりと言ってのけた。

 肺出血で宝塚記念を回避。仏到着後は帯同馬に鼻筋を蹴られて鼻出血、1週前追い切りを延期した。相変わらずトラブル続きだったが、3月の大阪杯(1着)以来の実戦でもきっちり勝ち切るあたりが、さすがG1・5勝の日本のエースだ。

 オルフェーヴルが昨年以上の凄みを見せ、キズナも勝ち切った。いざ、凱旋門賞。今年こそ日本のホースマンの夢がかなうだろう。

 ◆オルフェーヴル 父ステイゴールド 母オリエンタルアート(母の父メジロマックイーン)牡5歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績19戦11勝(うち海外3戦2勝) 総獲得賞金12億4951万円(うち海外1億882万円)

 【オルフェのこれまで】
 ▼12年10月7日 凱旋門賞に初挑戦。残り300メートルで先頭に立ったが、ゴール前で牝馬ソレミアに差されて2着。
 ▼11月25日 帰国初戦のジャパンC。ジェンティルドンナとの激しい競り合いの末、2着。
 ▼12月6日 態勢が整わず有馬記念回避を発表。
 ▼13年3月31日 始動戦の大阪杯、単勝1・2倍に応え快勝。
 ▼6月13日 肺出血のため宝塚記念回避を発表。
 ▼8月15日 栗東に帰厩。
 ▼23日 坂路で国内最終追い。4F52秒8。
 ▼24日 日本を出て仏シャンティイに到着。
 ▼9月4日 フォワ賞1週前追い切りを中止。僚馬ブラーニーストーンが尻っ跳ねをして後肢が鼻筋に当たり、外傷性鼻出血を発症。
 ▼7日 延期となったフォワ賞1週前追い。藤岡佑を背に馬なりのままブラーニーストーンに3馬身先着。
 ▼12日 フォワ賞最終追い。ブラーニーストーン、現地馬との3頭併せ、5馬身突き放す。

 ◆取り消し フォワ賞に出走を予定していたキャメロット(牡4=オブライエン)は出走を取り消した。重い馬場を嫌ったため。同馬は昨年の英・愛ダービーを制しており、有力馬の1頭とみられていた。

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