【東京新聞杯】クラレントが快勝!岩田“安藤さんの教え通り”

[ 2013年2月4日 06:00 ]

東京新聞杯を快勝したクラレント(手前)

 東京で行われたマイル重賞「第63回東京新聞杯」は2番人気のクラレントが3つめの重賞をもぎ取った。手綱を取った岩田はこの日京都競馬場で引退式を行った安藤を振り返りながらトップジョッキーへ新たな決意を固めた。

【レース結果】

 クラレントの快勝劇を満足げに振り返っていた岩田の表情が、みるみるうちに変わった。話題が引退した安藤勝に及んだ瞬間だ。「安藤さんの背中を見てJRAに入って、教わったことばかり。自分はまだまだだけど、安藤勝己さんの器になりたい」。思わずこみ上げそうになりながら“先駆者”へのリスペクトを示した。

 06年に園田からJRAに移籍した岩田に目をかけてくれたのが、同じ地方競馬出身の安藤勝だった。「バタバタしすぎや!」「もっと馬を信用しろ!」。結果を出さなければと無我夢中だった岩田は何度も怒鳴られたという。「いい見本だった。おかげで今は自信を持って乗れる」。その言葉通りのレース運びだった。

 内枠を生かすべくスタート直後はポジションを取りに行き、馬が行きたがるのを抑えて後は中団のインでじっと脚をためた。直線は残り400メートル過ぎまで追い出しを待つと前にできた1頭分のスペースに併走していたドナウブルーより一瞬先に飛び込み、一気に突き抜けた。「一番いいところを抜けてこられた。素晴らしい瞬発力だった」としてやったりの表情だ。

 クラレントにとっても大きな勝利となった。昨秋は富士Sを制しながらマイルCSは賞金不足で除外の憂き目に遭った。だが、もう大丈夫だ。春の大目標はもちろん安田記念(6月2日、東京)。16年連続重賞Vを成し遂げた橋口師は「今回は文句なしだね」と笑いながら「昨秋から体が変わってきて、調教で動くようになってきた」と成長に目を細めた。重賞2勝の東京マイルはもってこいの舞台。成長著しい4歳馬がマイル戦線の主役候補に堂々と名乗りを上げた。

 ◆クラレント 父ダンスインザダーク 母エリモピクシー(母の父ダンシングブレーヴ)牡4歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績12戦4勝 総獲得賞金1億5591万7000円。

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