【きさらぎ賞】タマモベストプレイ、距離克服!重賞初制覇

[ 2013年2月4日 06:00 ]

タマモベストプレイ(手前)は先行したマズルファイヤー(奥)を差し切ってきさらぎ賞を制覇

 今年のクラシックを占う「第53回きさらぎ賞」が3日、京都競馬場で行われた。血統から距離を不安視されていた6番人気タマモベストプレイが見事1800メートルを克服、重賞Vでクラシックに向けて大きく視界が開けた。

【レース結果】

 前走の敗戦が生きた1戦だった。タマモベストプレイは前走シンザン記念(3着)で押して押してポジションを取りに行って4番手追走。ところが今回はスタートを決めるとスッと2番手へ。「前走があったから」と和田が振り返ったように、馬がレースを覚えたことで鞍上は思い通りの騎乗が出来た。

 前半1000メートル通過が1分2秒2のスローでも折り合いピタリ。楽な手応えで直線を向くと、前のマズルファイヤーを目標にゴーサイン。グイグイ伸びて横一列の追い比べを制した。

 「上手に競馬をしてくれました。楽でしたね。瞬発力もあるし、ベストのレースができたと思います」と納得顔の和田。

 兄姉が短距離戦線で活躍している血統背景から、1800メートルの距離が不安視されていたが見事克服してみせた。和田は「スローだったので、本当のところは分からないですけどね」と前置きしたが「きょうだいではいちばん距離がもちそう」と中距離への適応力を示唆した。

 南井師は「(距離が)長くなった分、スパッとは切れていなかったけどよく差し切ってくれた」と喜びを語った。この血統では全兄タマモホットプレイ(04年スワンS、06年シルクロードS)に続く重賞V。指揮官はこの血統に最敬礼。母ホットプレイは堅実に活躍馬を送り出しており、産駒はこれでJRA24勝目。「本当に頭が下がるね」と感慨深げに語り、ベストプレイについて「上とはタイプが違うね。柔らかいしバネがあるよ」と目を細めた。

 今後は未定ながら、この勝利でクラシックへの道が大きく開けたのは間違いない。兄姉は千八より長い距離を走ったことがない。現役では末弟の孝行息子が未知の距離へ挑戦、どんな走りを見せてくれるか楽しみだ。

 ◆タマモベストプレイ 父フジキセキ 母ホットプレイ(母の父ノーザンテースト)牡3歳 栗東・南井厩舎所属 馬主・タマモ 生産者・北海道浦河町信成牧場 戦績4戦3勝 総獲得賞金6345万8000円。

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