【阪神JF】松田博師ニッコリ、さあ次は姉の出番!

[ 2011年12月12日 06:00 ]

<阪神JF>大外からジョワドヴィーヴル(左13)が楽々と抜け出し、アイムユアーズ(11)などを抑え勝利

 名門厩舎からまた1頭、絶好のタイミングでG1馬が誕生した。阪神JFはブエナビスタの半妹ジョワドヴィーヴルが衝撃的な走りで快勝。G1優勝リレーのバトンは妹から姉へ渡る。ブエナビスタは来週の有馬記念がラストラン。偉大な姉の後継となるべき素質馬が期待通りに結果を出して、さあグランプリへ。最高の流れをつくって厩舎一丸で年末に向かっていく。

 3年前のブエナビスタと全く同じだ。抽選突破による出走、見事に引き当てた13番枠、そして着差の2馬身半。姉も踏み締めた大外のVロードを、妹のジョワドヴィーヴルがその足跡をたどるように駆け抜けた。

 「走るとは思っていたが、1戦だけでどうかとも思っていた。強い勝ち方をしてくれたな。1戦目と2戦目でこれだけ変わるとは思ってなかったよ」

 柔和な笑みを浮かべ、松田博師は口を開いた。勝利への確信があったわけではない。それでもキャリア1戦でのG1参戦に迷いはなかった。1週前の特別登録、指揮官は同日のエリカ賞への登録をしなかった。3年前に同じ状況だったブエナビスタは、除外に備えてダブル登録をしたが、決して高くはない抽選突破の可能性にかけた。最終追い切り後に「姉と比較するとかわいそうですよね」と聞かれると「この馬はそんなことないわ」。それほど潜在能力を高く買っていた。

 これだけのパフォーマンスを見せられれば、もちろんファンは知りたくなる。これまでに松田博師が送り出した偉大な先輩たち、ベガやレーヴディソールやマルセリーナ、そして何よりブエナビスタと比べて、どうかということ。指揮官は苦笑いを浮かべて、こう切り返した。

 「並ぶ並ばんじゃない。それは同時期に出てこんと分からん。とにかく、能力に期待できるということよ」

 この日の走りは姉に届いただろうか。ブエナビスタは25日の有馬記念がラストランとなる。栗東・松田博厩舎の隣同士の馬房で過ごすのはあと2週間。短いが濃密な時間を経て、名牝の系譜はしっかりと受け継がれていく。

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2011年12月12日のニュース