【ローズS】エリンコート“主役”へ成長アピール
秋華賞トライアルのローズS(阪神)に有力馬が集結。オークス馬エリンコートは放牧先から帰厩して約1カ月、山のような調教メニューを消化して前哨戦に臨む。オークスは7番人気での激走V。あれがフロックだったと言わせないために、そして秋華賞で主役の座を張るためにもレース内容と結果が問われる秋初戦となる。
堂々の3連勝で樫の女王に輝いたエリンコートだが、3歳牝馬の頂点に立ったわけではない。というのもオークスは7番人気での勝利で、一歩リードとするには早過ぎる感もある。その点について担当の黒田助手に尋ねると、大きくうなずいた。
「オークスの時は勢いがあった。それに、勝ったから言えることだけど直前の雨も味方したかな」
とはいえ、追われる身になったことは紛れもない事実だ。今回は春のクラシックを沸かせた馬がズラリ出走。「気楽な立場じゃない」と苦笑いを浮かべながら「ぶざまなレースをしたら恥ずかしいと思っている」とプライドものぞかせる。
秋初戦からG1馬らしい走りを見せるべく、始動も早かった。他の有力馬が英気を養っていた8月10日には帰厩して、びっしり乗り込まれてきた。1週前にはこの馬としては珍しくいっぱいに追われ、坂路4F53秒5~1F12秒7をマーク。「夏負けもなく、調教を消化できている。春は追い切った後やレース後にカイ食いが落ちたけど、今はしっかり食べている。坂路主体で調整がしやすいね」
馬体重は1週前追い切りを終えた時点で478キロ(前走は456キロ)と大きく増えているが、体つきはシャープ。黒田助手はよくぞ聞いてくれたとばかりに「体はひと回り大きくなったし、歩き方からしてどっしりした。470キロを切るか切らないかでの出走になると思うけど、太めじゃなくて成長分だよ」と馬体面の成長もアピールする。
目標はまだ先だが、叩き台の意識は薄い。「白い強い馬(レーヴディソール)ともまだ戦っていないし、戻ってきたら面白い競馬をしたい。そのためにも恥ずかしくない競馬をしないとね」。ここで結果を残して秋華賞、そしてその先へ。唯一無二の女王になるための戦いは続く。
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