【新潟2歳S】嶋田、新人重賞初V一番乗りへ!
今週のメーンは夏の新潟開催のラストを締めくくる「第31回新潟2歳S」。今年デビューの嶋田純次騎手(18)がジャングルポケット産駒フィロパトールとのコンビで重賞に初挑戦する。距離延長、重量増と課題は多いが、陣営は手応え十分。人馬とも一気に重賞初Vとなるか、注目される。
嶋田が同期7人の先陣を切って重賞に挑む。新潟の新馬戦を逃げ切ったフィロパトールとのコンビ。新馬Vの翌日に武藤師からコンビ継続の意向を伝えられた時は、驚きもあったという。平場と違い3キロ減が適用されない重賞では乗り代わりも珍しくない。「こんなに早く乗れるとは思わなかった。重賞を使うなら代わっちゃうのかなと思ったけど、チャンスをもらえてうれしい」と周囲への感謝を口にした。
6月までは月1勝ペースで4勝だったが、夏の新潟でブレーク。一気に7勝を積み上げ、同期一番乗りで10勝を突破した。新潟7勝のうち4勝が先行有利なダート1200メートル。3キロ差を生かす積極的な先行策で結果を出しているが、本人は「馬のリズムを崩しちゃうことも少なくないし、折り合いとか追い方とかまだまだですね」と謙虚に課題を受け止めている。
伸び盛りの鞍上同様、フィロパトールも上積みが期待できる。芝1200メートルのデビュー戦から距離が延びる上に、控える競馬も未経験。それでも嶋田は「癖がなく乗りやすい。初戦は減量が効いて勝ったという感じじゃないし、距離が延びてもいけそう」と手応えを示した。
武藤師も「前走は追われてフワフワしていたし、前に馬を置いた方が走りが断然いい」と話す。初戦はスピードの違いで逃げたが、本質的には差し馬との見立てだ。中間の調教もそれを意識した内容。24日の1週前追い切りはWコースでマイネルリープ(3歳未勝利)を1秒追走し、5F66秒9~1F13秒0で先着。師は「いいイメージの調教ができている」と満足げだ。
経験に乏しい人馬だがその分、未知の魅力は十分にある。「デビュー半年で大きなチャンスを頂いた。その期待に応えないといけないなと思っている」と嶋田。まだあどけなさの残る表情の中に、確かな決意がにじんでいた。
≪大きい師匠のバックアップ≫新人・嶋田の活躍は師匠である手塚師のバックアップが大きい。昨今は自厩舎の馬でも所属騎手を乗せるのは容易ではないが、手塚師は延べ38頭に嶋田を起用。「新潟では頑張ったね。落ち着いて乗れるようになったのが一番。誘導するのはうまくなってきたので、後はズブい馬に乗って中距離以上でどんな競馬をするか。今はたくさん乗って、経験を積むのが大事」と今後も可能な限りチャンスを与える方針。
◆嶋田 純次(しまだ・じゅんじ)1993年(平成5)3月8日、埼玉県生まれの18歳。美浦・手塚厩舎所属。今年3月5日の中山1Rワイズアンドクールで初騎乗初勝利。28日終了時点で11勝。趣味はサッカー観戦。好きな有名人は夏帆。今はまっているのは、ももいろクローバーZ。1メートル60・3、45・4キロ。血液型O。
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