【函館記念】キング重賞V2!横山典、父に並んだ

[ 2011年7月25日 06:00 ]

函館記念を制したキングトップガン

 サマー2000シリーズ第2戦「第47回函館記念」が24日、函館競馬場で行われた。4番人気の8歳馬キングトップガンが目黒記念に続き重賞V2。2着に10歳マヤノライジンが入ってマヤノトップガン産駒がJRA重賞初めてのワンツーフィニッシュを決めた。1、2着馬合計18歳はグレード制導入後の平地重賞最高齢。また、3着も8歳アクシオンと“おじさん”が大奮闘し3連単は40万1180円の高配当、荒れる函館記念の立役者となった。

 さすがは函館の顔だ。8歳馬キングトップガンの背で43歳横山典の巧腕がさえわたった。ゲートを飛び出すと中団インをキープ。ラチ沿いを徐々に進出した。残り1F。逃げるメイショウクオリアとマヤノライジンの背後で詰まり、一瞬ヒヤリ。しかしすぐに外へ持ち出すと、こん身の左ムチ。計ったようにマヤノライジンを首差差し切ったところがゴールだった。

 父の富雄元騎手、藤田伸二と並ぶ函館記念最多タイの3勝目。横山典は右手を高々と掲げ、喜びを爆発させながら引き揚げてきた。

 「8歳でも調教の感触も良かったし、内心自信はあった。思ったより後ろ(の位置取り)になったが、ほぼ理想に近い形で運べた。直線で窮屈になってヒヤッとしたけど最後はよく頑張った。完勝だったね」。昨年9月26日、中山競馬の落馬で頸(けい)髄損傷、頭蓋骨骨折の重症。11月13日の東京で復帰後、重賞初Vがトップガンと組んだ前走・目黒記念。東京での強さは本物だった。

 人が健在ぶりをアピールすれば、馬も逆境からの恐るべき進撃だ。右前脚に爆弾を抱え、骨片を取り除く手術が2回。その後のクリーニングを経て、8歳にして素質が花開いた。

 鮫島師は感慨深げに切り出した。「51キロで勝った後で強気なことは言えなかったが状態は良かった。横山君が乗ってくれたのも大きい。辛抱してしまいの脚を生かしてくれた。クリーニングをしたのが今になって、実を結んだ感じ。能力がなければ、ここまで来られなかったはずだから」

 次走はサマー王者を懸けた札幌記念(8月21日)。目黒記念優勝後にメルボルンC(11月1日)の招待状も届いたが、まずは眼の前の目標に全力投球。師は「北海道の洋芝も合ってるね。今度は別定戦になるけど頑張ってくれると思う」と重賞V3に照準を定めた。

 昨年6月に「はこだて観光大使」を委嘱された横山典もさらなる奮闘を誓う。「函館はいつも応援してくれるし、残り2週も頑張ります。来週は(お披露目で)メジロライアンも来るので見に来てください」。最後は函館のピーアールも忘れず、笑顔で結んでいた。

 ◆キングトップガン 父マヤノトップガン 母グリタリングフラワ(母の父マルゼンスキー) 牡8歳 栗東・鮫島厩舎所属 馬主・池田豊治氏 生産者・北海道新冠町北星村田牧場 戦績36戦7勝 総獲得賞金1億9641万7000円。

続きを表示

2011年7月25日のニュース