中山、来月も中止で…4・24東京で皐月賞

[ 2011年3月23日 06:00 ]

皐月賞が開催される東京競馬場

 JRAは22日、すでに27日までの中止を発表していた第3回中山競馬について、4月2日以降も開催を中止すると発表した。これに伴い、最終日(4月17日)に予定されていた皐月賞は1週繰り下げ同24日に東京で開催される。ただし、東京でも開催不可能と判断した場合は同日に京都で行われる。また、4月9~24日(6日間開催)に予定されていた第1回福島競馬の中止も決まった。

 JRAは東日本大震災を受け、15日に今月いっぱいの中山競馬の開催中止を決定。4月以降については検討を続けてきたが、開催できる状況ではないと判断した。電力不足による計画停電に加え、交通網の乱れ、原発事故への不安…。小畠薫JRA理事は「お客さまが安全に競馬を楽しんでいただける状況でないと開催できない」と中止の理由を説明した。

 中山で予定されていた重賞のうち5つは阪神に場所を移して開催。中山最終週に組まれていた皐月賞は1週遅らせて東京1週目に行う。東京で皐月賞が行われれば、中山のスタンド改築工事があった88年(勝ち馬ヤエノムテキ)以来23年ぶりとなる。

 ただし、JRAは「東京競馬場においても安定的な競馬施行に支障が生じる恐れがある場合は、京都競馬場での施行とする」とさらなる変更の可能性についても含みを持たせた。約1カ月後に電力問題や被災地の状況がどこまで改善しているかは不透明。小畠理事は「ただ電力が供給されればいいというものではない。被災地に迷惑をかけることがあってはならない。慎重な判断になる」と説明した。なお、ダービー(5月29日、東京)については「今のところ移設は考えていない」(同小林哲也企画課長)としている。

 また、現在中止している関東、東北の競馬場、ウインズおよび携帯電話、電話投票での発売については、再開時期は未定。同理事は「東北地方では安否確認などでまだ電話がかかりにくい状況だし、車での利用者が多いウインズについてはガソリン事情もある」と話した。

 JRAは同時に4月9~24日に予定されていた第1回福島競馬について、スタンド内部の被害が甚大であることや周辺状況を踏まえ、中止を決定。代替開催などについては未定となっている。

 ▼二ノ宮師(美浦・ナカヤマナイト)開催できること自体が喜ばしい。場所は問わないよ。みんなの努力で開催してくれれば、それに向けて一生懸命やるだけです。

 ▼伊藤伸師(美浦・フェイトフルウォー)開催が2、3週延びると困るが、1週なら逆算して調整できる。山元トレセンから戻して今週から乗り始める予定だった。東京はデビュー戦で勝って、2回走っているコースだし大丈夫。輸送のない関東圏でレースできればいいね。

 ▼斎藤師(美浦・プレイ)関東圏でやってくれるので良かった。最悪、阪神開催もあると思って輸送を心配していたからね。東京は勝っているコースだし問題ない。開催が1週延びるが、まだ疲れを取っている段階なので、調整に問題はないと思う。

 ▼西園師(栗東・サダムパテック)先週の支援競馬ではファンの温かさも感じた。(東京変更は)どこでも問題はないし、今は働ける人が働ける場所で働くしかない。

 ▼矢作師(栗東・グランプリボス)NHKマイルCも視野に入れているので、間隔が詰まるのは微妙だが、早く日程が決まってくれれば調整はしやすい。今は決まったことに向けて準備していくだけです。

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2011年3月23日のニュース