番組変更発表も…JRA開催可否先送り

[ 2011年3月15日 06:00 ]

JRA六本木事務所にて会見を行う小畠薫理事

 JRAは14日、今週末の競馬を施行した場合の日程、番組などを発表した。と、同時に「無理に開催するということではない」と話しており、東日本大震災の今後の影響によっては中止もあり得ることを示唆。開催に向けては予断を許さない状況となっている。発表した日程は19~21日の3日間開催で、19、20日は中山、阪神、小倉の3場。21日は中山、阪神の2場開催となる。13日に開催できなかった中山牝馬S、フィリーズレビューは、共に21日のメーンレースに組み込む。

 JRAは14日午前、土川健之理事長を中心として対策会議を開き、引き続き今週末の開催に向けて態勢を整えることで意思を確認、開催日と番組を発表した。19~21日の3日間開催で、中止となった中山、阪神5、6日目を21日に組み込む。そして26、27日は当初から予定されていた中山、阪神に、中止となった小倉5、6日目を加えた3場開催となる。15日に今週末開催の特別登録を受け付け、ハンデも発表する。

 小畠薫・JRA理事は「競走馬は生き物なので、(番組を早めに発表して、そこに向けて)コンディションを整える必要がある。そのための発表であって、無理に開催しようということではない」と言及。現場を預かる調教師会、そして騎手会とも話し合いが必要となるが、JRAは「被災者へのシンパシー(同情、共感)、競馬を愛する気持ちは皆同じ。理解を得られるものと考えている」(同理事)とした。

 開催には(1)諸般の情勢、特に電力がどれだけ整うか(2)競馬場、ウインズを訪れるファンの足(交通機関)が確保されているかどうか(3)余震による2次災害の可能性がないかどうか――の3点が重要と説明した。

 また、最大限の節電を実行しながらの開催を目指しており、どのような節電ができるかを現在精査中。スタンド内の照明の光度を落とすなどの案が出ている。中山だけ開催を見送る選択もあったが「3場で行う形がベスト」(同理事)との判断を下したことも明かした。

 阪神淡路大震災(95年)では6月3、4日に復興支援競馬(京都)を行い、24億円を兵庫県、神戸市、西宮市、宝塚市に拠出した。ただ、復興競馬施行には省令の改正による特例的措置が必要で、今回はまだその段階に至っていない。

 同理事は「開催施行がお客さまにとって喜ばれることなのかを考えながら、ギリギリの中で選択をしていかなければならない」と話した。JRAは競馬開催に関して、タイムリミットまで情勢を見極めていく。

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2011年3月15日のニュース