【有馬記念】“王権”復活へ ブルースリ担当調教助手が今秋を振り返る

[ 2010年12月24日 08:36 ]

オウケンブルースリは菊花賞以来のG1・2勝目なるか

 長期休養から復帰して有馬記念がこの秋3戦目となるオウケンブルースリ。京都大賞典から状態は上がってきているというブルースリを担当する塩津担当調教助手にウマドル・桜井聖良が話を聞いた。

 今年のジャパンカップ。一度は回避の危機もありましたが無事に出走を果たした男前な実力馬オウケンブルースリ。復帰戦でもあった京都大賞典からあまり順調ではなかったようで、今年のJCは7着でした。そこで有馬に向けての今の状態やJC時の状態などを塩津担当調教助手にお聞きしました!

―いよいよ今年の締めくくりとなる有馬記念ですね!ファンのみなさんに何かコメントはございますか?

塩津「状態も今年のJCの時よりも良くなってきていますよ!頑張りますので応援していただけたらうれしいです!」

―JC後のブルースリはいかがでしたか?

塩津「少し疲れが見え、放牧に出す予定でしたが、JC直後の1週間様子を見ていたところ、疲れも早めに抜けたので有馬記念に出走することを決めました」

―京都大賞典の後、一度脚に不安が出てJCを回避するという情報が出ましたが、次の日に出走決定となりました。あの時はどのような状態だったのでしょうか?

塩津「京都大賞典の日、検体の時からものすごい脚が腫れていたんです。腫れは徐々に引いてきたのですが、あまりにもひどかったので腱にも問題があるのではとの心配もあり、一度は回避の話が出ました。しかしエコーをとっても腱自体には問題がなかったので、ジャパンカップへのGOサインが出ました。腫れも良くなりましたからね」

-去年のJC後も脚に不安が出ましたね。
塩津「はい。去年のジャパンカップの後も腱鞘炎のひどい状態になりました」

―復帰戦となった京都大賞典後から今年のJCまでの調教は普段と違った印象でした。

塩津「1週間前にポリトラックに初めて入れ、その後坂路を入れました。馬場1周すると汗もかくし絞れるのですが、脚元を見ながらの調教となり直前にポリトラックに入れるような状態でした」

―去年とは全く違う状態で挑んだJCだったのですね。

塩津「馬の出来としては、去年のJCとは順調度が違いましたからね。去年はこれで負けたら仕方ないというぐらいの出来でしたが、今年はそういったことよりもまず、無事に帰ってきてほしい。この気持ちの方が強かったです」

―では期待よりもまず無事にという思いが大きかったのですね。

塩津「そうは言っても地力があるので、もしかしたらそこそこ通用するかなと思っていたのですが。33秒を切れと言われても、そういう勝負だと難しくなりますよね。なにより行け行けと言っても行ってくれなかったようで、まだ気持ちがオンになってなかったのかもしれません」

 普段は人懐っこくて愛想も良く甘えるというブルースリはどうやら喜怒哀楽がはっきりしていてわかりやすいそうです。どういう時に競馬モードになるのかお聞きしたところ、運動をしているときや競馬が近づくにつれてオンになってくるそうですよ。今回の追い切りの様子を見ていると、段々スイッチが入ってきているように感じます。どんなに脚を痛めてもいつも一生懸命なブルースリ。1年の締めくくりとなるレースでも一生懸命走ってくれそうです。とにかく無事に、そしてあの“炎の末脚”を見せてほしいですね。(馬バカのウマドル 桜井聖良)

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2010年12月24日のニュース