JC降着ブエナビスタ 担当厩務員が胸中語る

[ 2010年12月7日 09:39 ]

JCのパドックでもカメラ目線に応えてくれたブエナビスタ

 競馬の祭典JCは女傑ブエナビスタの降着という思わぬ結末により、3歳ローズキングダムの優勝で幕を閉じた。レース後、ウマドル・桜井聖良はブエナビスタ担当の山口厩務員に話を聞いた。

 11月28日東京競馬場で行われたジャパンカップでは様々な想いが交錯していました。圧倒的1番人気ブエナビスタがジャパンカップ制覇!と誰もが思いました。しかし、確定のランプが灯らず長い審議に。固唾を飲んで結果を待っていると驚きの結末が待っていました。掲示板の表示は2着降着だったのです。ブエナビスタ担当の山口厩務員にその胸中をお聞きしました。

―気持ちいい走りを見せてくれた分、結果が…。

山口「すごく思うことは色々あるし、文句も言いたいけれど今さら言っても仕方ないしね。ただ納得はいかないかな」

―前走の天皇賞・秋ではものすごい脚を見せてくれましたが、JCまで調整はスムーズでしたか?

山口「そうですね。強い勝ち方だったので疲れも早めに抜けてスムーズにJCまで来れました」

―ブエナの走りを見ているとすごく伸びやかで好きなのですが、実際に乗っているとやはり背中はやわらかいのでしょうか?

山口「普通に乗っているとわからない。スピードを出した時にやわらかさというかブエナの良さがわかる感じかな」

―パドックではカメラ目線をよくしてくれますね!

山口「そうそう。よくキョロキョロとして愛想を振りまいてるよ(笑)」

―気が強いイメージを持っていたのでパドックで初めて見た時はびっくりしました!

山口「気が強いのは強いね。競馬の時は逆にそんなことはなくて、調教している時などに気の強さを見せることが多いかな。でも普段は人懐っこくてかわいい子ですよ」

―パドックではいつも大人しくてどちらかと言うと可愛い印象ですが、いつ気持ちがONになっているのでしょうか?

山口「大体いつもパドックと同じ感じで、ゲート裏でもボーとしていますよ。ゲートが開いたらオンになるんじゃないかな?ただJCではゲート裏でいつもよりもピリッとしていましたね」

―今回は残念な結果でした。次に予定している有馬記念に向けての気持ちをお聞かせください。

山口「モチベーションを上げるのが正直大変です。JCでもブエナはブエナであんなに頑張ってくれましたし、今回のことを糧にしてまた頑張ろうと思います」

 複雑な想いの中、取材に答えてくださった山口厩務員。ブエナと最初に出会った時の印象は「かわいい」だったそうです。今も変わらず普段は人懐っこくパドックでもマイペース。だけど走ると、かっこいい。

 結果がどうであれ、あれだけの走りをそして強さを見せてくれたブエナビスタにありがとうと言いたいファンの方も多いのではないでしょうか。結果にこだわってしまうと、それはそれで頑張った馬自身に申し訳ないですよね。ブエナはもう次走に向けて進んでいます。有馬記念でもパドックで愛想を振りまくブエナを、伸びやかな走りを見せてくれるブエナを今から楽しみにしたいと思います。(馬バカのウマドル 桜井聖良)

続きを表示

2010年12月7日のニュース