【七夕賞】シャドウゲイト陰りなし

[ 2009年7月10日 06:00 ]

<七夕賞>ピュアロング(右・1775)と併せで追い切るシャドウゲイト(886)

 七夕賞の木曜追いで軽快な動きを見せたのが実力馬シャドウゲイトだ。一時の不振から完全に脱して前走・金鯱賞(2着)も上々の内容。07年シンガポール航空国際C以来となる久々の白星へ、陣営も力が入る一戦だ。

 シャドウゲイトは朝一番に蹄跡の全く付いていないWコースへと勢いよく飛び出した。僚馬ピュアロング(4歳500万)を6馬身後方から追走するが、早くも3コーナーで楽々と追いついてしまう。直線に向くと、すぐにパートナーの前に出た。相手はいっぱいに手綱をしごいているが、こちらは馬なり。最後まで抜かせることなく半馬身差をキープしたままゴール。6F80秒2。その手応えには最後まで余裕があった。
 加藤征師は「いつも通りの動き。出来も同じくらい。大阪杯の時も調子は良かったが、ずっと同じレベルを維持している」と語った。確かに、ここ2戦の戦いぶりは見事。ドリームジャーニー、ディープスカイなどの強敵が顔をそろえた大阪杯で直線で踏ん張って6着。続く金鯱賞は、勝負どころで勝ったサクラメガワンダーと一緒に上がり、残り50メートルまで食らいついて2着。07年5月のシンガポール航空国際C以来の白星は、もう目の前と思わせる上昇ぶりだ。
 丸2年も勝ち星から遠ざかったことについて指揮官は「ここ2年は内面的にイライラしていた。アレルギー性の湿疹(しっしん)なども出ていた」と説明した。競走馬なら一度は陥る、精神的スランプ。陣営は抗酸化作用のある水を与えるなどしたが、こういう問題は結局、馬自身が乗り越えるしかない。幸い、同馬はホワイトマズル産駒。天皇賞馬イングランディーレに代表されるように古馬になってから、もうひと皮むける血統だ。シャドウゲイトもスランプの中で、もうワンランク上の体力が付き、調教やレースに嫌気が差さなくなって気力を取り戻した。
 「今回のメンバーは金鯱賞ほどではないからね。久々の白星で何とか弾みをつけたい」と加藤征師。精神的苦境から脱した海外G1ウイナーの完全復活に期待だ。

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2009年7月10日のニュース