快速スパイン初Vへ一直線/アイビスSD

[ 2008年7月15日 06:00 ]

スパイン

 新潟開幕週のメーンを飾るのは直線芝1000メートルで究極のスピード比べが展開される「第8回アイビスサマーダッシュ」。このコースを得意にする快速馬スパインが虎視たんたんと勝機をうかがっている。前々走で直線芝1000メートルの駿風Sを制して待望のオープン入り。自慢のスピードを武器に重賞初Vを狙う。

 美浦きっての快速馬スパインに重賞奪取のチャンスが訪れた。5月に行われた駿風S。準オープンとはいえ、06年アイビスサマーダッシュ2着馬マリンフェスタや、過去に2度の重賞2着があるラッシュライフなどの強力メンバーひしめく中、スパインは馬場のやや外側、終始リードを奪ったままレースを進めた。力強いフットワークは最後まで衰えず、ゴール前でもうひと伸びして1着フィニッシュ。勝ち時計の54秒6は今回のメンバーの中では堂々のNo・1だ。
 「いい競馬だった。直線競馬は独特のものがあるが、きっと得意なのだろう」と堀井師。直線1000メートル戦は06年疾風特別でも2着があり【1100】と連対率100%を誇る。直線競馬への適性の高さは疑いようもない。前走・CBC賞は16着に敗れたが、その後はここを目標に調整を進めてきた。
 9日の1週前追い切りも圧巻だ。坂路の中腹から一気にスピードを上げ、4F51秒1。ラスト2Fは11秒8、11秒5で上がった。短距離の強豪が多い美浦でも、最後に11秒台を2本並べられる馬はそうはいない。「最後の1Fが非常に良かった。調子はいいね」と同師も笑顔を見せた。
 鞍上は3戦連続で石神。「チャンスをつかんでほしいね」と師は語る。騎手出身の堀井師は機会に恵まれない騎手のつらさがよく分かる。日の当たらない騎手にもスポットライトを当てたいと常々考えている。「騎手リーディングの上位も下位も、そんなに力量差はない。馬の力ひとつだよ。騎手の起用もドライなままでは競馬が面白くない。少しは人情味もなくては…」。飛躍を夢見る石神を自慢の快速馬に配して派手に重賞初制覇。堀井師の描く夢はかなうか。

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2008年7月15日のニュース