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井上尚弥 5度目の4団体王座防衛 歴代1位タイ世界戦26連勝 6年ぶり判定も「この戦い方が大正解」

[ 2025年9月15日 04:45 ]

プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ   統一王者 井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA暫定王者 ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン) ( 2025年9月14日    名古屋・IGアリーナ )

<トリプル世界戦>防衛に成功した井上(撮影・島崎忠彦)
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 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)に3―0判定勝ちし、男子史上最多記録を更新する5度目の4団体王座防衛を成し遂げた。19年11月のノニト・ドネア(フィリピン)戦以来6年ぶりの判定決着となったが、大差での勝利。ジョー・ルイスとフロイド・メイウェザー(ともに米国)に並ぶ歴代1位の世界戦26連勝を飾った。

 12戦ぶりにフルラウンドを戦い抜いた井上の顔には傷一つなかった。元統一王者をあっさり料理し、判定結果を聞き右拳を突き上げた。「アフマダリエフ選手の実力を評価していたからこそ、このパフォーマンスをすることができた。今日はこの戦い方が大正解だった」。大歓声を浴びながら、心地よい疲労感と達成感に浸った。

 KO宣言を封印した「本気」の井上は圧巻だった。初回から小刻みにフェイントを入れながら、高速ジャブで制圧。鮮やかなステップでリングを駆け回ると“課題”とされる相手の左フックは華麗なダッキングとバックステップでほとんど回避。文字通りの完封勝利で「アウトボクシングもいけるでしょう?誰が衰えたって?」と耳に手を当て、笑顔で超満員の会場をあおった。

 5月の米ラスベガス戦ではカルデナスの左フックを浴びプロ2度目のダウンを喫した。“圧勝して盛り上げたい”思いが空回りし、序盤から近距離で打ち合った。父・真吾トレーナーは「普段だったら間違いなくない被弾。それを避けるためのコントロールをしたかった」と試合前には帝拳ジムへプロ初の出稽古を敢行。どんな状況でも普段通りの動きをするため他ジムでの練習で“メンタルトレ”に取り組んだ。ベガス戦後に「衰え」を指摘する声も耳にしたが、心身ともに「過去イチ」に仕上げ、雑音を打ち消した。

 9回には“打ってこい”と相手から挑発されても応じず。「何回も(倒しに)いってやろうかな、と思ったシーンがあった」とおどけながら「我慢が一つのテーマだった。今日の相手にあの戦い方は100点。判定でも魅せるボクシングはできた」と納得の表情だ。

 来年5月の東京ドーム決戦が内定する中谷潤人がリングサイドで観戦する中での圧勝。12月にサウジアラビアで行われるWBC同級1位のピカソ(メキシコ)戦を終えれば、いよいよ日本人頂上対決が実現する。試合後、会場を引き揚げる“標的”には「中谷くーん!あと1勝、12月お互い頑張って、来年東京ドームで戦いましょう!」と余裕のエールもかました。健在を示したモンスターは、まだまだ進化を続けていく。(伊東 慶久)

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