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2冠王者・井上岳志がドロー防衛 急死したジムの後輩思い涙の訴え「坂間叶夢のことを忘れないでほしい」

[ 2024年3月18日 22:06 ]

防衛に成功した井上
Photo By スポニチ

 プロボクシング東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・スーパー・ウエルター級タイトルマッチが18日、東京・後楽園ホールで行われ、同級王者・井上岳志(34=ワールドスポーツ)が挑戦者のウエイド・ライアン(34=オーストラリア)と引き分け、東洋太平洋初、WBOアジア・パシフィック3度目の防衛に成功した。

 立ち上がりからじりじりと圧をかけ、右オーバーハンドを的確に当てた。4回には打ち終わりを狙われ、左アッパーを被弾するも、左ボディーで応戦。最終12回まで打ち合いを演じ、採点はジャッジ1人が井上を支持し、残り2人が引き分けで1―0のドローで防衛に成功した。

 「相手との距離が遠くやりづらかった。自分の実力はこんなもの」と淡々と話していた井上だったが、次第にこみ上げる思いを抑えきれなくなった。

 試合前、ジムの後輩で日本ライトフライ級ユース王者の坂間叶夢(さかま・かなむ)さんが20歳の若さで急死。井上は「この試合うんぬんという感情ではなかった」と試合直前の突然の訃報に動揺を隠しきれなかったという。

 ジムでともに汗を流してきた後輩で、減量後には焼肉を食べに行く約束もしていたという。「僕みたいな凡人のボクサーとは違い彼は世界を獲れる選手だった」と目を赤くし「自分がかけた言葉があいつを追い込んでいたのかもしれない」と言葉を詰まらせながら自らを責めた。

 19年1月以来の世界再挑戦を目指す井上は「彼の分まで悔いのないように行きたい。坂間叶夢という素晴らしいボクサーがいたことは忘れないでほしい」と涙ながらに訴えていた。

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