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山根明さん死去 元秘書から反旗を翻し、辞任へ追い込んだ元連盟理事・澤谷氏「もう一度お会いしたかった」

[ 2024年1月31日 21:10 ]

山根明さん
Photo By スポニチ

 アマチュアを統括する前日本ボクシング連盟会長の山根明さんが31日、大阪市の病院で肺がんのため84歳で死去したことを受け、山根氏の元秘書でその後、たもとを分かって辞任へ追い込んだ元連盟理事・澤谷廣典氏(61)が本紙の取材に応じた。

 「歴史の男」と自称する特異キャラの一方で、連盟会長に就任後、プロアマの垣根が高かったボクシング界にあって合同スパーリングを実施し、海外大会への派遣を積極的に推し進めた。12年ロンドン五輪では村田諒太の金メダルなど日本勢初の1大会複数メダルにつなげた。

 他方、強権的な組織運営や日本スポーツ振興センターからの助成金の不正流用、かつて県連盟会長を務めた奈良県選手をひいきする審判不正「奈良判定」などが問題視され、辞任に追い込まれた。

 「オヤジ」「ムスコ」と呼び合った親子のような関係だったという澤谷氏。「メダルを取れたことを“オレのお陰”と言わなかったら最高の指導者だった」。人情家の一面もあり、お金に無頓着なため上京時には5~10万円を封筒へ入れてポケットに押し込んだという。

 帰阪するとすぐ連絡が入り「“きょうは寿司へ行こう”と。会計の際に“きょうは出すな、ワシが払う”と言って、渡したはずの封筒をそのまま出して払った」と振り返る。なぜ東京で使わなかったのかと問い詰めると「“かわいい息子からもらったものを、使われへんやないか”とニコッと笑いました。もう一度お会いたかったですね」と懐かしむ。山根氏に作ってもらったスーツ、山根氏譲りのジャンパーは現在も大切に着続けているという。

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