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黒田雅之氏 尚弥は“ぶれない姿勢が一番の強み” モンスターに最も殴られた男が分析

[ 2022年12月10日 04:58 ]

黒田雅之氏のツイッターから(@masayuki7_17)井上尚弥(左)とポーズを決める黒田氏

 バンタム級4団体王座統一に挑む井上尚弥のスパーリングパートナーを長く務めた元日本2階級制覇王者の黒田雅之氏(36)が今年6月、引退を表明した。井上のデビュー前から手合わせし、プロテストの相手も務めるなど、拳を交えたのは150ラウンド以上。“尚弥に最も殴られた男”が肌で感じたモンスターの強さを振り返った。

 黒田氏の鼻は折れている。目の周囲には傷痕も多く残る。「試合ではなく、全部彼とのスパーでやったもの。鼻はそろそろ手術しないと」。パートナーとして呼ばれた外国人選手が「野球の硬球か石のような」(黒田氏)パンチを浴び、逃げてしまうほど、井上とのスパーは過酷だ。「どれだけ殴られたか。ガードや額で受けても頭が2、3日痛いし、試合よりもダメージが大きい」と苦笑した。

 12年春、デビュー前の井上と“初対戦”した。「左フックと左ボディーが強く、今と違ってフットワークも使っていた」。同年7月の井上のプロテストのスパーでは日本ライトフライ級王者ながら相手を務め、当時は週3回手合わせした。「スパーと試合で動きが違う。減量でポテンシャルを落としている」と感じていたが、スーパーフライ級に上げて以降の井上は「練習内容がそのまま試合で出て、無駄な動きもなくなっていった」という。

 黒田氏は井上のパンチを「対象物に対し直角に、力が入るように面で当ててくる。動くものに全てその角度で当てるのは難しい」と指摘。当てる感覚は才能ではなく「小さい頃から気の遠くなるような反復練習をしてきたからでは」と推測し、「やろうとする姿勢にぶれがない。それが彼の一番の強み」と分析した。自身は20年10月、井上とのスパーで左肘の腱を断裂し、その影響で引退。現在は介護の仕事をしながらボクシングの個人レッスンも行っており、「彼以上の選手は今後出てこないと思う。彼の活躍が、引退後も人生にチャレンジする気持ちにさせてくれている」と感謝を口にした。

 ◇黒田 雅之(くろだ・まさゆき)1986年(昭61)7月17日生まれ、東京都稲城市出身の36歳。高1で競技を始め、05年5月に川崎新田ジムからプロデビュー。06年度全日本ライトフライ級新人王。元日本同級王者(防衛4)、元日本フライ級暫定&正規王者(防衛4)。フライ級で13年にWBA王者レベコ(アルゼンチン)、19年にIBF王者ムザラネ(南アフリカ)に挑戦して判定負け。通算42戦30勝(16KO)9敗3分け。

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