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元K―1王者の武居由樹がプロ5戦目で初タイトル 5回TKOで東洋太平洋王座獲得

[ 2022年8月26日 20:32 ]

プロボクシング・東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 ( 2022年8月26日    後楽園ホール )

<東洋太平洋スーパーバンタム級>3回、アポリナル(左)を攻める武居(撮影・藤山 由理)
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 元K―1ワールドGPスーパーバンタム級王者の武居由樹(26=大橋)がプロボクシング5戦目で初のベルトを獲得した。東洋太平洋スーパーバンタム級王者のペテ・アポリナル(27=フィリピン)に5回2分7秒TKO勝ち。デビューから5戦連続KO勝ちで新王者となった。K―1からボクシングに転向し、ともにタイトルを獲得したのは元東洋太平洋ヘビー級王者・藤本京太郎(元角海老宝石)以来。3団体統一世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)のスパーリング相手を務めたこともあるアポリナルは19戦16勝(10KO)3敗となった。

 武居は2回終盤、ボディーの連打で相手を後退させてから後頭部付近への右フックで最初のダウンを奪取。さらに左フックでこの回2つめのダウンを奪った。4回にも右フックでグローブをキャンバスにつかせた。5回、打ち合いから左フックをガードの上から当て、アポリナルが後方へよろけるとレフェリーが試合を止めた。

 武居は「K―1からボクシングに転向して、もう一度チャンピオンになれるか不安だったが、みんなに背中を押してもらって、みんなでベルトを取れた」とリング上でコメント。初体験の5回については「ちょっと長いですね」と苦笑したが、5試合目の5回ででの東洋太平洋王座戴冠は師匠である元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーと同じ。「いい経験にも自信にもなった。ここからもっと強くなって、王者としてもっとカッコいい選手になれるよう頑張りたい。いつか世界王者になるので、もっとパワーを送ってください」と呼びかけた。

 キックボクシングで25戦(23勝2敗)を経験しており、ボクシングでは5戦目とは言え「プロのリングはもう30戦目。今までやってきた全部をぶつける」と語っていた。大橋ジムの大橋秀行会長は武居や、武居の古巣であるキックボクシングジム「パワー・オブ・ドリームス」の選手の練習に驚かされたと明かし、「体の強さが全然違う。練習に参加した大橋ジムの選手も体が変わった。普通はあんな練習にはついていけない」と感心。「この練習を子供の時から続けている。それがなければやらせていない。(タイトル挑戦が)早いじゃないかという意見も受け止めるが、武居の格闘センスに懸けている」と期待を寄せていた。同会長が「勝てば選択肢が広がる」という一戦をクリアした武居に、世界への道が開けてきた。 

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2022年8月26日のニュース