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浜田剛史氏 尾川よ、ダウンを狙い続けろ 完全アウェーでジャッジに“明確な”印象を

[ 2022年6月4日 05:30 ]

ボクシング・IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ   王者 尾川 堅一(34=帝拳) 26勝18KO1敗1分け1無効試合 <12回戦> 同級3位 ジョゼフ・コーディナ(30=英国) 14勝8KO ( 2022年6月4日    英ウェールズ・カーディフ )

計量をパスした尾川(撮影・田中哲也通信員)
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 前日計量が3日、英カーディフ市内で行われ、初防衛を目指す王者・尾川堅一はリミットより200グラム軽い58・7キロ、地元出身の挑戦者コーディナは58・9キロでパスした。“ウェールズの魔術師”と呼ばれる技巧派相手に、尾川は完全アウェーでどう戦うべきか。本紙評論家の浜田剛史氏(61=元WBC世界スーパーライト級王者)が展望した。

 コーディナはうまさを前面に出してポイントを取る選手だ。元アマチュアで五輪にも出ているから基本こそしっかりしているが、打つパターンが決まっているわけではない。がっちりとは構えずに足をよく動かし、サイドへ動いては相手ガードの隙間を狙い、当たる角度から当てられるパンチを打ってくる。

 相手の地元だけに、尾川はダウンなど明確に試合を支配したい。コーディナはブロックよりもウイービングなどでよけるディフェンスで、尾川が空振りするだけで挑戦者優位と反応され、その場内の雰囲気がジャッジに影響を与える可能性もある。一度流れを渡すと五分の打ち合いでも相手の10―9という採点が続きかねないので、前半から攻め、クリーンヒットでなくても当てていってコーディナが苦しんでいるという印象を与えたい。

 コーディナはオーソドックスでもあり、尾川はより左のリードブローが大事になる。強いパンチへつなげるためだが、相手の出足を止める守りの左でもある。速い左を当てていけば右のストレート、左ボディーアッパーのタイミングも徐々につかめる。後半にかけて相手のスピードを鈍らせ、最後までダウンを狙い続けたい。(元WBC世界スーパーライト級王者、帝拳代表)

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2022年6月4日のニュース