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村田デビュー相手、柴田明雄さん 最高の結果で“マックをおごる男”にしてくれ

[ 2022年4月8日 05:30 ]

13年、村田(右)のデビュー戦の相手として戦った柴田さん

 【世紀の一戦 俺の目線 第4R】13年8月25日、ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田がプロデビューした。その相手を務めたのが柴田明雄さん(40)だった。当時31歳。すでにプロ10年のキャリアを持ち、東洋太平洋ミドル級王座、日本スーパーウエルター級王座の2冠を保持していた。

 実は、その前年の5月、村田と3ラウンドのスパーリングを行い「ボコボコにされた」という。その経験を糧に、タイトルマッチで4連勝した柴田さんは「自分がどれだけ成長したのか試したかった」とオファーを受けた理由を説明。結果は2回TKOの完敗で「右ストレートが全く見えなかった。あらゆる面で僕の上を行っていた」と振り返った。

 「つらい記憶のままやめたくなかった」と現役を続け、「いつか再戦したい」という思いをモチベーションに東洋太平洋タイトルを5度防衛。再戦の機会はないまま、16年3月の試合を最後に引退した。翌17年10月にWBA王座を獲得した村田は、ゴロフキンと歴史的一戦に臨む。

 柴田さんは「単純に一ボクシングファンとして凄く興奮するし、感動するし、尊敬もしています。“日本人がミドル級でここまで来られるんだ”という驚きもあります」と心境を語り、「村田君に勝ってほしいので、100%の力を出せて最高の結果が出るように祈っています」とエールを送った。

 現在も村田との親交は続く。「試合が終わったら遊びに来てくれる約束なので、マクドナルドをおごります。“村田にマックをおごる男”って、なんかカッコ良くないですか?」。柴田さんは笑顔で再会できることを信じている。(特別取材班)=終わり=

 ◇柴田 明雄(しばた・あきお)1981年(昭56)11月19日生まれ、横浜市出身の40歳。03年8月、ワタナベジムからプロデビュー。スーパーウエルター級とミドル級の2階級で日本、東洋太平洋の2冠を獲得。16年3月の試合を最後に引退。現在は千葉県松戸市のボクシング&フィットネスジム「SOETE(ソエテ)」代表。 

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2022年4月8日のニュース