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村田 9日ゴロフキン戦の行方は「神のみぞ知る」、試合延期で「良い準備できた」

[ 2022年4月8日 05:30 ]

記者会見後、拳をあわせるゲンナジー・ゴロフキン(左)村田諒太
Photo By 代表撮影

 日本ボクシング史上最大級のビッグマッチが9日、ついに実現する。7日は都内で記者会見が行われ、WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)、IBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)が出席。新型コロナウイルス対策として報道陣とは約10メートルの距離を置き、代表質問のみという異例の形式となったが、村田は圧倒的不利を予想されている大一番へ、静かに闘志を高めた。

 フォトセッション終了後、両雄は健闘を誓い合ってグータッチ。にこやかな表情のゴロフキンが背中に左手をまわすと、村田の顔にも笑みが広がった。リスペクトする同士だからか、それとも嵐の前の静けさか。会見では両者から「勝つ」や「倒す」という威勢のいい言葉は一度も出なかった。

 14年7月に米カリフォルニア州での合宿以来、約8年ぶりの再会。村田は「試合への思いに変化はない」としたが、コロナ禍の中でゴロフキンの来日が実現し、国内で統一戦ができることを感謝「素晴らしい試合をお届けします」と約束した。

 元3団体統一王者のゴロフキンは、17戦連続KO防衛の世界タイ記録をも打ち立てたKO率84%の強打者。ブックメーカー各社のオッズ(賭け率)は、英大手ウィリアムヒルがゴロフキン勝利1・18倍、村田勝利4・5倍とするなど、ゴロフキンが1・1倍台に対し、村田は4~5・5倍。王者同士の統一戦としては一方的な数字となっており、圧倒的不利を予想されている。

 だが、4カ月におよぶ延期によって、不安視していたスパーリング不足は解消。さらにさまざまなパターンの戦い方を試すこともできた。村田は「12月ではなく、4月のタイミングで良かったと思うのは、やはり実戦練習を長い期間できたこと。本当に良い準備ができた」と手応えを口にし、「神のみぞ知る」という独特の表現で自身の可能性を口にした。

 この日はルイス・パボン氏(プエルトリコ)がレフェリーを務めることも発表された。パボン氏は17年5月のエンダム(フランス)第1戦、19年7月のブラント(米国)第2戦でも村田の試合を裁いた。エンダムには“疑惑の判定”で敗れたものの、ブラントには2回TKO勝ち。村田をよく知るレフェリーが“追い風”になる可能性もある。

 8日は前日計量。神はどういう結末を準備しているのか。世紀の一戦のゴングは刻一刻と近づいてきた。

 【村田に聞く】

 ――対面して試合への気持ちの変化は?
 「試合への思いは変化していない。ゴロフキン選手と日本で試合ができることは、良い巡り合わせだと思っている」

 ――コロナ下で試合を行うことについて。
 「(ゴロフキンが)完璧な答えをしてくれたので、そのまま復唱するだけになってしまいました(笑い)。この大変な状況で、いろいろな条件がそろわないとできない、そして、物凄くリスクがある中で、この試合を組んでくださった方に感謝していますし、会場に来てくださる皆さまにも感謝します」

 ――念願だった試合が近づいている。
 「試合まで感情は動くと思う。リングに立った瞬間にどういう感情になっているのか、その場で感じたいし、その感情を自分自身でしっかり俯瞰(ふかん)して見られればと思っています」

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2022年4月8日のニュース