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2年以上試合なし 村田 36歳誕生日に胸中吐露「オミクロンの次は何が…」ゴロフキン戦は4月で準備

[ 2022年1月13日 05:30 ]

36歳の誕生日を迎えた村田諒太はバースデーケーキを前に笑顔
Photo By スポニチ

 プロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が12日、36歳の誕生日を迎えた。昨年12月29日にさいたまスーパーアリーナで開催予定だったIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)との王座統一戦は2月開催を断念し、4月を目標に準備が進められている。2年以上も試合がない状況が続き、複雑な思いを抱えながらも“年男”の村田は国内最大級のビッグマッチに向けて前に進む決意を示した。

 念願だったビッグマッチが実現しないまま年越し。そして迎えた36回目の誕生日。コロナ禍で試合がない期間が2年以上続いている村田は大きなバースデーケーキを前にしみじみと語った。

 「昨年は形容し難い年でしたね。待つことが多くて、いろんな我慢があって…でも悪い年かと言えば、そうでもなかった。強くなる努力というか、練習を怠ったことはない。それだけは言えます」

 12年ロンドン五輪の金メダル獲得から10年。村田は「今もボクシングをやっていることが驚き。人生って分からないものだなと」と振り返り、「フィジカルの面では年齢だからどうとかは感じていない」と言い切った。この日も2ラウンドのスパーリングを披露するなど精力的に動いた。

 ゴロフキン戦の延期が決まり、気持ちが沈んだ時期もあったが、無理に練習を組み込むことで、徐々に平常を取り戻した。「ある意味では自由から逃亡というか。嫌だけどやる、そういう状況をつくった」。年明けの練習開始後すぐにスパーを再開。当初の予定よりも多く実戦練習を積めることはプラス材料だ。

 帝拳ジムの本田明彦会長によると、ゴロフキン戦を2月末に再設定することを検討したが、外国人の入国制限が緩和される見通しが立たずに断念。現在は「4月開催を目標に調整している。ゴロフキン陣営も理解してくれている」という。

 先行きが不透明な状況に村田は「正直、疑心暗鬼なところはある。オミクロンの次は何がくるのか…」と胸中を吐露。それでも、信じて前に進むしかない。「試合に向けて完全な気持ちはつくれなくても、いつ試合が決まってもいいように動ける態勢をつくっておかないと」と自身に言い聞かせ、「試合になったら自分のスタイルで前に行って、自分の特長であるスタミナとパワーを通用させたい」と、今春の戦いを思い描いた。

 《援軍メキシカンコンビ》昨年11月にメキシコ人パートナー3人が来日。1人は帰国したが、アドリアン・ルナ(31)とホセ・デヘスス・マシアス(29)の2人が村田をサポートしている。ルナは「村田は打ち終わりを狙うパンチが良くなっている」と太鼓判。4階級制覇王者、サウル・アルバレスのパートナーを務めた経験もあるマシアスは「ゴロフキンは彼のようにプレスをかけてくるタイプとはやっていない。村田が有利だ」と断言した。

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2022年1月13日のニュース