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矢吹 主人公は譲らない!一緒にボクシング取り組む2人の子供に晴れ姿を

[ 2021年9月22日 05:30 ]

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ   王者・寺地拳四朗《12回戦》同級1位・矢吹正道 ( 2021年9月22日    京都市体育館 )

前日計量をパスした王者の寺地拳四朗(左)と挑戦者の矢吹正道(真正ジム提供)
Photo By 提供写真

 前日計量が21日、京都市内の病院で行われ、王者の寺地拳四朗(29=BMB)はリミットを200グラム下回る48・7キロ、同級1位の矢吹正道(29=緑)は100グラム下回る48・8キロで一発パスした。世界初挑戦の矢吹は万全の仕上がりを強調し、一緒に競技に取り組む2人の子供に晴れ姿を見せる意気込みを示した。

 計量を終えた矢吹は「やってきたことをやるだけ。調子はいい」と気合十分だ。リバウンドは3キロ程度に抑え、スピードとパワーを発揮する構え。試合展開を問われ「(KO狙いかどうかを含め)言いたくない」と緊張感をにじませた。

 競技に本格的に取り組んだのは中3から。「ボクシングをやってれば女にモテると思った」。四郷高(三重)ではフライ級で東海大会優勝2回と、全国的に目立つ実績はない。「ジムで練習が終わると夜通し遊んだりしてたけど、遊びとボクシングを両立させた」。17歳の時に長女・夢月(ゆづき)さんが生まれ、16年3月のプロデビューまでに妻・恭子さん、長男・克羽(かつば)君の3人を養う一家の大黒柱になっていた。建設業に従事しながら練習。今は週末に11歳の長女、8歳の長男と一緒にジムで汗を流すこともある。

 右胸に「下剋上」、左胸に「大和心」の入れ墨はどちらも、ジムの鏡に映った時に読める反転の鏡文字。自らを叱咤(しった)する意味を込めた。本名は佐藤で、リングネームは漫画「あしたのジョー」の主人公、矢吹丈から。軽量級でKO率73%は名前負けしない数字だ。インターネットの有料中継でしか見られないとはいえ、初の世界戦で主人公は譲れない。

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2021年9月22日のニュース