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井岡「正々堂々戦うだけ」9月1日に3度目防衛戦、JBCと遺恨なしスッキリ「次へ進む」

[ 2021年8月11日 05:30 ]

オンラインで会見し、9月1日に3度目の防衛戦を行うことを発表した井岡一翔(志成ジム提供)
Photo By 提供写真

 WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(32=志成)が10日、オンラインで記者会見し、9月1日に東京・大田区総合体育館で同級2位フランシスコ・ロドリゲス(28=メキシコ)と3度目の防衛戦を行うと発表した。初防衛戦から3連続で指名挑戦者との対戦。ドーピング騒動を乗り越え、約8カ月ぶりにリングに立つ井岡は圧勝を宣言した。

 過去の“騒動”は吹っ切った。オンラインで行われた会見。井岡は真っすぐに前を見つめると、力強く次に進む決意を口にした。

 「試合が決まったことは素直にうれしい。ボクシングの本質と、いろいろあったこと(ドーピング騒動)は自分の中では分けて考えている。試合は仕事だし、チャンピオンとして次に進まなくてはいけない。僕は正々堂々戦うだけです」

 昨年12月、田中恒成(畑中)を8回TKOで下して2度目の防衛に成功したが、4月になってドーピング疑惑が浮上。最終的には日本ボクシングコミッション(JBC)の倫理委員会が「違反はなかった」と認定したもののSNSを通じて家族が中傷されることもあった。

 先月12日、JBCの謝罪を受け入れ、気持ちに区切りをつけた。すでにロドリゲスを想定したスパーリングなど実戦練習を開始。今後は12ラウンドのスパーなどで仕上げ、万全の状態で約8カ月ぶりのリングに立つ。

 新型コロナウイルス感染拡大が続き、東京都内は今月31日まで緊急事態宣言が延長されている。「リングに上がるまで、どうなるか分からない」と不安も残るがこの試合をクリアしてこそ本当の意味で再スタート。熱望する統一戦へ向かえることを井岡自身も知っている。

 対戦相手のロドリゲスは身長1メートル63のオーソドックスタイプ。14年8月には高山勝成を下してWBO&IBF世界ミニマム級統一王者になった。井岡は「決して油断できない選手」と警戒しつつ、「チャンピオンとして、しっかりレベルの違いを見せたい」と力強かった。

 ▽ドーピング騒動 昨年12月に行われた世界戦のドーピング検査で井岡の検体が大麻成分に陽性反応を示したと一部週刊誌が報道。JBCは第三者による倫理委員会を立ち上げて調査。5月に答申書が公表され、「井岡にドーピング違反はなかった」と結論付けた。7月12日に永田理事長と井岡が同席して会見し、JBCが正式に謝罪した。

 ≪ノーモア検査不備 専門機関に依頼へ≫井岡のドーピング騒動で検査体制の不備が露呈したJBCは日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に準じる体制を目指して整備中だが、現状では東京五輪・パラリンピックで多忙な関係機関との調整が進んでいないという。ただ、今回の世界戦は簡易検査ではなく、専門機関に検査を依頼するとし、永田有平理事長は「井岡選手が不安のないようにしたい」と明言。井岡陣営にも説明し、理解を得ているとした。

 ≪スーパーフライ級中心はエストラーダ≫スーパーフライ級戦線の中心は3月にWBCとWBAスーパー王座を統一したエストラーダ(メキシコ)。WBCはエストラーダをフランチャイズ王者に格上げし、ゴンサレス(ニカラグア)との再戦を承認、空位となった正規王座をシーサケット(タイ)とクアドラス(メキシコ)で争い、両試合の勝者による統一戦を行う方針を打ち出している。WBAは正規王者フランコ(米国)と前王者モロニー(オーストラリア)の第3戦が14日に予定されている。

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2021年8月11日のニュース