西田凌佑 プロ3戦目で元日本王者の大森将平を撃破
プロボクシングの56キロ契約8回戦が19日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われ、近大出身の西田凌佑(24=六島)が8回判定3―0(79―73、78―74×2)の完勝で元日本バンタム級王者の大森将平(27=ウォズ)を撃破する“番狂わせ”を起こした。勝利後のリングでは「ここで満足せずに一つ一つの試合を勝ちたい」と謙虚に抱負を語った。
このサウスポー対決は、世界挑戦経験がありスーパーバンタム級で日本5位、東洋6位につける大森が優勢という下馬評だった。これを覆すため、初回のゴングが鳴ると同時にダッシュで距離を詰めパンチを繰り出し続けた。その後も右ジャブを的確にヒットしつつ、相手の大振りに左ストレートを合わせ、ボディーも効果的に使って確実にポイントを重ねた。「(初回は)前にどんどん行く作戦だった。ジャブが思ったより当たって、やりやすかった。相手のパンチは見えた。(威力はあるが)スピードはそうでもないので」と振り返った。
この試合は2度延期されていた。8月は新型コロナウイルスの感染拡大で、11月は前日計量の際に大森が脱水症状となったため。先月延期された際は、体重調整を1週間だけ解除してリフレッシュ。体重は5キロ戻ったものの、減量をやり直して臨んだ。「体はしんどかったけど、モチベーションは高かったので」。その苦労が実って大森を破り、戦績は3戦3勝1KO。日本ランク入りを確実にした。「これで強い人とやれる。しっかり頑張って、まず日本チャンピオンになりたい」と意気込みを新たにした。
現役時代は六島ジムに所属した元WBA世界スーパーフライ級王者で、近大ボクシング部の名城信男監督(39)が応援に駆けつけた。「うれしい。試合が決まった時は“負ける”と思っていた。もともと前の手(ジャブ)はうまかったけど、ディフェンスも良くなったし、メチャクチャ強くなっている」と教え子の勝利を手放しで喜んだ。
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